本体の設定 (HP-GL/2エミュレーション)

エミュレーションモードの各種の機能やタッチパネルを使った操作のしかた、エミュレーションモードで使用できる制御命令などについて説明しています。

なお、本カテゴリをお読みになる前に、必ず「本体の設定 (LIPSプリンタ)」をお読みください。



ご使用になる前に

本製品のHP-GL/2エミュレーションモードの特徴など、ご使用になる前に知っておいていただきたいことについて説明します。

本製品の動作モードがHP-GL/2エミュレーションモードに切り替わることによって、HP-GL/2およびHP RTL準拠のグラフィックスプロッタを使って作図したときと同等の印刷を行うことができます。

エミュレーションの対象は、HP Designjet 800プリンタが基本となります。
アプリケーションソフトウェアなどを使って図面を印刷するときは、アプリケーション側で出力機器にHP Designjet 800プリンタ(または同等の機種)を指定し、本エミュレーションモードをご利用ください。



HP-GL/2モードの特長

  • 16種類のペンの指定が可能

ペン0~15に異なる太さ、濃さ(グレータイプ)、色(カラー)を設定することができます。 また、本製品では異なるペン0~15に色を指定することができます。 色(カラー)の設定は、HP-GL/2サンプルプリントに表示される色のパレット(0~255)から選択します。(→「カラー印刷時のペン色を色番号で設定する(カラー番号)」)

  • いろいろな用紙サイズを想定した作図

作図データは、A0、A1、A2、A3、A4、B0、B1、B2、B3、B4、B5、はがき、レター、レジャー、ユーザ定義用紙の15種類のサイズの用紙に印刷することを想定して作成することができます。 作図データのサイズは、本製品で印刷できる用紙サイズに制限されずに、データを作る上での仮想的な用紙として設定できます。 (→「用紙サイズと作図範囲」)

  • 作図データを2モードで拡大/縮小

作成した作図データを任意の用紙サイズに合わせて拡大または縮小(自動モード)することや、1%単位で倍率を指定して拡大または縮小(手動モード)することができます。
特に、自動モードでは作図時の用紙がどのようなサイズであっても、出力用紙サイズを決めるだけであらかじめ設定されている拡大/縮小率によってきちんとその用紙に作図データを収めることができます。 つまり、A0サイズなどの大きな用紙を想定したデータを、B4サイズなどの任意の大きさの用紙に簡単に印刷することができるわけです。
なお、本エミュレーションモードで拡大/縮小を行った場合は、アプリケーションソフトウェアの機能で拡大/縮小を行った場合と印字結果が若干異なります。 (→「作図データの拡大/縮小」)

  • 印刷時の座標回転やミラー反転が可能

作成した作図データの座標系を90°単位で回転して印刷することができます。 また、作図データをミラー反転することもできるので、ひとつの作図データを利用して、左右反転、上下反転など目的に沿った印刷が可能です。(→「座標系の回転を設定する(座標回転)」,「ミラー反転を設定する(ミラー反転)」)

  • 設定しやすいメニュー構造

このエミュレーションモードでは、タッチパネルを使って印刷に必要ないろいろな設定を行うことができます。印刷設定の項目はメニュー形式で並んでおり、ディスプレイに表示されるメニューにしたがって簡単に探すことができます。 設定はタッチパネルのHP-GL/2設定で行うことができます。(→「HP-GL/2モードの設定」)



HP-GL/2モードを使用する準備

本製品は標準でLIPSモード(LIPSⅡ、LIPSⅢ、LIPSⅣ、LIPS LX)、N201エミュレーションモード、ESC/Pエミュレーションモード、I5577エミュレーションモード、HP-GLエミュレーションモードのほかに、グラフィックスプロッタをエミュレートするHP-GL/2およびHP RTL準拠のエミュレーションモードがあります。

印字を行うときのモード(「動作モード」といいます)は、送られてくる印字データを判別して自動的に切り替わりますので、特に設定する必要はありません。ただし、動作モードの自動切り替えがうまくいかなかったり、印刷が正常に行えない場合は、動作モードを本エミュレーションに設定してください。
使用するモードが決まっているときなどは、動作モードの設定を本エミュレーションに設定することをお勧めします。詳しくは、「本体の設定 (LIPSプリンタ)」をご覧ください。



HP-GL/2モードの解説

本エミュレーションモードを使用して図面やグラフの印刷を行う際の、用紙サイズ、作図範囲、および本エミュレーションモード特有の機能などについて説明します。



用紙サイズと作図範囲

本エミュレーションモードでは、ユーザが作図する用紙サイズ(原稿用紙サイズ)と出力する用紙サイズ(出力用紙サイズ)を設定することができます。
ここでは、この2つの用紙サイズの概念と作図範囲について説明します。



原稿用紙サイズ

本エミュレーションが作成する原稿(作図)の用紙サイズを「原稿用紙サイズ」といいます。
本エミュレーションでは、以下の用紙サイズを原稿用紙サイズとして使用することができます。

  • 定型用紙

はがき、B5、B4、B3、B2、B1、B0、A4、A3、A2、A1、A0、レター、レジャー

  • ユーザ定義用紙

高さ/幅:100.0~2000.0mm


作図データのサイズを設定する(原稿用紙サイズ)
作図用紙のサイズをユーザ定義で設定する(ユーザ定義用紙)
作図データの拡大/縮小


出力用紙サイズ

本エミュレーションが出力する用紙サイズを「出力用紙サイズ」といいます。
本エミュレーションでは、以下の用紙サイズを出力用紙サイズとして使用することができます。

はがき、B5、B4、A4、A3、レター、レジャー


お使いの機種によって、使用できる出力用紙サイズの種類は異なる場合があります。

拡大/縮小時の用紙サイズを設定する(出力用紙サイズ)


用紙サイズの選択方法

本エミュレーションモードでは、用紙サイズの選択をアプリケーションソフトウェアやタッチパネルで行うことができます。
メニューのレイアウトグループの「クリップモード」で、用紙サイズの選択方法を設定することができます。詳しくは、「用紙サイズを選択する(クリップモード)」をご覧ください。


作図データのサイズを設定する(原稿用紙サイズ)
拡大/縮小時の用紙サイズを設定する(出力用紙サイズ)
用紙サイズを選択する(クリップモード)
プロットサイズ設定命令


作図範囲

用紙サイズから上下左右の余白を差し引いた印字可能な領域を「ハードクリップ領域(作図範囲)」と呼びます。



原稿用紙および出力用紙のハードクリップ領域

本エミュレーションモードでは、メニューのレイアウトグループの「余白」から上下左右の余白の範囲を指定できます。また、メニューのレイアウトグループの「イメージの向き」の設定によって、余白とハードクリップの位置関係は異なります。「余白」で指定した範囲は、原稿用紙および出力用紙の両方に適用されます。したがって、用紙を拡大/縮小した場合、ハードクリップ領域は拡大/縮小されますが、余白の範囲だけは同じままです。


作図データの余白を設定する(余白)


PSコマンドによるハードクリップ領域

原稿用紙のハードクリップ領域内に、アプリケーションソフトウェアで生成されたPSコマンドのwidth(用紙の幅)またはlength(用紙の高さ)によってハードクリップ領域を指定できます。

ただし、widthまたはlengthの範囲が原稿用紙のハードクリップ領域を超える場合は、強制的に原稿用紙のハードクリップ領域内に収められます。その場合は、アプリケーションソフトウェアで作図範囲を調整してください。


メニューのレイアウトグループの「クリップモード」の設定による余白範囲について
  • メニューのレイアウトグループの「クリップモード」が[データ]の場合
  • widthとlengthを指定してlengthがwidthよりも大きな値の場合、選択された用紙サイズとPSコマンドで指定したハードクリップ領域との差分を上下左右の余白として設定します。この設定は、メニューのレイアウトグループの「余白」で設定した上下左右の余白よりも優先されます。また、選択された用紙サイズとPSコマンドで指定したハードクリップ領域との差分は、上下余白または左右余白に均等に割り当てられます。

  • widthまたはlengthが最大定型用紙サイズ(B0)より大きいのに、原稿用紙に最大定型用紙サイズ(B0)が選択された場合、上下左右の余白値は5.0mmに設定されます。
  • ユーザ定義用紙が原稿用紙として選択された場合、メニューのレイアウトグループの「余白」で指定した上下左右の余白(パネル値)の値が設定されます。
  • メニューのレイアウトグループの「クリップモード」が[パネル]の場合
  • メニューのレイアウトグループの「余白」から上下左右の余白の範囲を指定できます。

プロットサイズ設定命令
用紙サイズを選択する(クリップモード)


座標系

作図する用紙上の点の位置は、2次元の座標系によって指定します。



原稿用紙上のHP-GL/2モードの原点と座標軸

HP-GL/2モードの原点と座標軸の関係は、メニューのレイアウトグループの「イメージの向き」の設定およびPSコマンドによるwidthの指定によって変わります。

  • 「イメージの向き」が[縦]に設定されている場合

HP-GL/2モードの原点と座標軸の関係は、PSコマンドによるwidthの指定に影響されません。

  • 「イメージの向き」が[横]に設定されている場合

HP-GL/2モードの原点と座標軸の関係は、PSコマンドによるwidthの指定に影響されます。



原稿用紙上のHP RTLモードの原点と座標軸

HP RTLモードの原点と座標軸の関係は、メニューのレイアウトグループの「イメージの向き」の設定によって変わります。また、PSコマンドによるwidthの指定には影響されません。

  • 「イメージの向き」が[縦]に設定されている場合

HP RTLモードの原点と座標軸の関係は、PSコマンドによるwidthの指定に影響されません。

  • 「イメージの向き」が[横]に設定されている場合

HP RTLモードの原点と座標軸の関係は、PSコマンドによるwidthの指定に影響されません。



座標の回転とミラー機能

HP-GL/2エミュレーションモードでは、メニューのレイアウトグループの「座標回転」、またはRO命令によって、作図したデータの座標を印刷時に90°単位で回転させることや、ミラー反転させることができます。HP-GL/2エミュレーションモードの原点はハードクリップ領域(PSコマンドによる設定を含む)内で移動します。メニューのレイアウトグループの「座標回転」とRO命令の両方で座標回転が指定された場合は、両方の値を加えた値分だけ座標回転します。ただし、BP命令のパラメータ《種類(i=5》に1が指定されたページは、メニューのレイアウトグループの「座標回転」の設定が無効になります。HP RTLエミュレーションモードの座標系では、回転およびミラー反転することはできません。

座標回転とミラー反転を組み合わせると、次のようになります。

  • HP-GL/2エミュレーションモード

  • HP RTLエミュレーションモード


共通メニューで設定した解像度は、HP-GL/2モードのデータ処理には無効です。したがって、共通メニューの「解像度」の設定とHP-GL/2モードの解像度の設定が異なっても、HP-GL/2およびHP RTLモードの画像出力には影響しません。


作図データの拡大/縮小

本エミュレーションモードでは、任意のサイズで作図したデータを本製品で印刷できるサイズの用紙に拡大または縮小して印刷することができます。
拡大/縮小は、自動モードと手動モードの2種類のモードがあります。


拡大/縮小モードを使用しない場合は、必ず原稿用紙サイズ(作図した用紙サイズ)が出力用紙サイズ(出力する用紙サイズ)と同一となるように設定して印刷してください。原稿用紙サイズと出力用紙サイズが一致しないとエラーになります。


自動モード

自動モードの拡大/縮小を行う場合は、メニューのレイアウトグループの「拡大/縮小」で[自動]を設定し、用紙グループの「出力用紙サイズ」で印刷したい用紙サイズを設定すると、出力用紙サイズに合わせて自動的に拡大または縮小して印刷します。
たとえば、A3サイズで作図したデータを、A4サイズの用紙に縮小して印刷したり、A5サイズで作図したデータを、A4サイズの用紙に拡大して印刷することができます。
自動モードでは、拡大率や縮小率を計算することなく、出力用紙サイズを指定するだけで拡大/縮小が行えます。

自動モードの拡大/縮小


作図データを拡大/縮小して印刷する(拡大/縮小)


手動モード

手動モードの拡大/縮小を行う場合は、メニューのレイアウトグループの「拡大/縮小」で[手動]を設定し、「拡大/縮小率」で用紙の短辺および長辺の倍率を個別に指定します。

倍率を1%単位で指定し、作図データを拡大または縮小して印刷します。
たとえば、作図データに有効印字領域からはずれる部分がある場合に手動モードで縮小率を小さく設定すれば、作図データを損なうことなく印字できます。

手動モードの拡大/縮小

  • クリップには関係なく

作図データを指定された倍率で拡大/縮小します。プロッタの原点を基準(左下原点または中央原点)にして、出力用紙サイズの本製品の有効印字領域内(用紙の各端から5 mm内側)に印刷します。このとき、本製品の有効印字領域(用紙の各端から5 mm内側)を越えた部分に作図データがある場合はその部分が印刷されません。


作図データを拡大/縮小して印刷する(拡大/縮小)
拡大/縮小時の長辺と短辺の倍率を設定する(拡大/縮小率)


入力解像度

HP-GL/2モードおよびHP RTLモードの入力解像度について説明します。



HP-GL/2モードの入力解像度

HP-GL/2モードの入力解像度は座標系の単位で指定し、以下のいずれかになります。

  • plotter unit(デフォルト): 1 unitの大きさが0.025 mmの座標系
  • user unit: 1 unitの大きさがIP/IRコマンドとSCコマンドで設定された大きさの座標系


HP RTLモードの入力解像度

HP RTLモードの入力解像度は以下のいずれかで設定します。
1 Set Graphics Resolution (Esc*t#R)コマンド
2 PJLコマンド(1のコマンドが設定されない場合)
@PJL SET LPARM:HPGL2 IMAGE-RESOLUTION=XXXX<CR><LF>
*:「XXXX」に解像度の数値75, 150, 300, 600, 1200を設定します。
3 PJLコマンド(1、2のコマンドが設定されない場合)
@PJL SET RESOLUTION=YYYY<CR><LF>
*:「YYYY」に解像度の数値75, 150, 300, 600, 1200を設定します。
4 共通メニューの「解像度」(1、2、3のコマンドが設定されない場合)

共通メニューで設定した解像度は、HP-GL/2モードのデータ処理には無効です。したがって、共通メニューの「解像度」の設定とHP-GL/2モードの解像度の設定が異なっても、HP-GL/2およびHP RTLモードの画像出力には影響しません。


フォント

本エミュレーションモードでは、Stickフォントを使用して一連の直線と円弧(ベジェ曲線)で描画することができます。


本エミュレーションモードで印字できるのは、Stickフォントのみです。BitmapフォントやScalableフォントを使用することはできません。


Stickフォントの種類

  • 文字セット

本エミュレーションが搭載しているStickフォントの文字セットは、以下の23種類です。

  • Roman8
  • Norwegian v1
  • Roman Extensions
  • French v1
  • Italian
  • JIS ASCII
  • ECMA-94 LATIN.1
  • Swedish for Names
  • ANSI US ASCII
  • Norwegian v2
  • United Kingdom
  • French v2
  • German
  • Katakana
  • Spanish
  • International Reference Version
  • Swedish
  • Portuguese
  • Kana-8
  • HP-GL Drafting
  • HP-GL Special Symbols
  • JIS Kanji-1
  • JIS Kanji-2
  • タイプフェース

本エミュレーションが搭載しているStickフォントのタイプフェースは、以下の3種類です。


  • ベクタフォント:

文字を直線のみで描画するフォント

  • ドラフティングフォント:

文字を直線のみで描画するフォント

  • アークフォント:

文字を直線と円弧で描画するフォント


DJ800と本エミュレーションのドラフティングフォントでは、デザインが異なります。

  • 文字ピッチ

本エミュレーションが搭載しているStickフォントの文字ピッチは、以下の2種類です。


  • 固定ピッチフォント:

全ての文字の文字幅が同じであるフォント

  • 可変ピッチフォント:

文字ごとに文字幅が異なるフォント(たとえば、「M」の文字ピッチは大きいが、「i」の文字ピッチは小さいなど)


  • 内蔵フォント

本エミュレーションが搭載している内蔵フォントは、以下の5種類です。

  • 固定ベクタ1フォント
  • 固定ベクタ3フォント
  • 固定ドラフティング2フォント
  • 固定アークフォント
  • 可変アークフォント


内蔵フォントの種類

  • 1バイトフォント
文字セット タイプフェース
ベクタ(48) ドラフティング(49) アーク(50)
名称 7 / 8 bit code 固定
ベクタ1
固定
ベクタ2
固定
ベクタ3
固定ドラフティング1 固定ドラフティング2 固定
アーク
可変
アーク
Roman8
0/277
8
Norwegian v1
4
7
Roman Extensions
5
7
French v1
6
7
Italian
9
7
JIS ASCII
11
7
ECMA-94 LATIN.1
14
8
Swedish for Names
19
7
ANSI US ASCII
21
7
Norwegian v2
36
7
United Kingdom
37
7
French v2
38
7
German
39
7
Katakana
43
7
Spanish
83
7
International Reference
Version
85
7
Swedish
115
7
Portuguese
147
7
Kana-8
267
8
HP-GL Drafting
563
7
HP-GL Special Symbols
595
7

  • 2バイトフォント
文字セット タイプフェース
ベクタ(48) ドラフティング(49) アーク(50)
名称 7 / 8 bit code 固定
ベクタ1
固定
ベクタ2
固定
ベクタ3
固定ドラフティング1 固定ドラフティング2 固定
アーク
可変
アーク
JIS Kanji-1*
1611
JIS Kanji-2*
1643
* JIS Kanji-1はJIS90の第一水準漢字のみサポートしている文字セットです。また、JIS Kanji-2はJIS90の第一水準漢字と第二水準漢字をサポートしている文字セットです。

本エミュレーションモードとHP Designjet 800では、文字セットによって内蔵フォントが異なるため、印刷結果が若干異なります。詳しくは、付録の「HP-GL/2モードの注意と制限」を参照してください。

  • Stickフォントの構成要素

ここでは、Stickフォントの文字の構成要素について、固定ベクタ1フォントを例に説明します。

1文字が占める空間はCharacter Plot Cell(CPセル)と呼ばれる矩形領域です。CP Cell Width(CPセル幅)は1文字印字した後の文字原点の移動量であり、Line Feed(CPセル高)は改行した後の文字原点の移動量です。以下にCPセルの構成要素について説明します。


構成要素名 説明
Character Origin(文字原点) CPセルの左下隅
Baseline(ベースライン) 基本的な文字の一番下の線
Character Width(文字幅) 基本的な文字枠の幅
Cap Height(文字高) 基本的な文字枠の高さ
CP Cell Width(CPセル幅) 現在の文字の文字原点から次の文字の文字原点までの長さ
Line Feed(CPセル高) 現在のベースラインの位置から次行のベースラインまでの長さ
Point Size(文字のポイントサイズ) ポイントサイズ= 基本的な文字高 + ディセンダの深さ
可変ピッチフォントの文字サイズはポイントサイズで決まる

各フォントの構成要素の値は以下のとおりです。(単位はグリッド)

構成要素名 固定ベクタ1/
固定ドラフティング1/
固定ドラフティング2
固定ベクタ2/
固定ベクタ3
固定アーク 可変アーク
Character Width
(文字幅)*1
基本的な文字の幅
32
55
30
*2
行内最終文字の幅
48
29
Cap Height(文字高)
32
32
36
36
CP Cell Width(CPセル幅)
48
64
45
文字幅+10
Line Feed(CPセル高)
64
64
72
72
Point Size(文字のポイントサイズ)
48
48
54
54
*1 固定ベクタ2フォント、固定ベクタ3フォント、固定アークフォントでは、LBコマンドの行内最終文字とSMコンドの印字文字の文字幅だけはそれ以外の文字の文字幅と異なるグリッド数で計算し、印字位置を決めています。これは印字位置を決める際の仕様であり、実際の文字は基本的な文字幅で印字します。たとえば、LO9で固定ベクタ2フォントを印字すると、カレントペン位置よりも7グリッド分だけ右側にはみ出て印字されます。
*2 可変アークフォントの文字幅は文字ごとに異なります。ただし、可変アークフォントの基本的な文字幅は28グリッドです。スペース、タブの文字幅とSI/SRコマンドによって指定する文字幅は28グリッドであり、LOコマンドのパラメータで11~19を指定したときのオフセット量は28グリッドの1/2(14グリッド)であり、DVコマンドによって縦置きを指定したときの改行ピッチは28グリッドの2倍(56グリッド)です。

  • 固定ベクタ1フォント

固定ベクタ1フォントの文字は基本的に32×32のグリッドの文字枠にデザインされています。 文字によってはバランスをとるため基本的な文字枠を上下左右にはみ出してデザインしている文字もあります。基本的な文字枠の一番下の線を「Baseline(ベースライン)」と呼びます。たとえば、「g」、「j」、「y」などの文字の一部はベースラインを下にはみ出してデザインされています。このとき、ベースラインより下にはみ出ている部分を「ディセンダ」と呼びます。以下は固定ベクタ1フォントの「A」と「y」のデザイン例です。

  • 固定ベクタ2フォント

固定ベクタ2フォントの文字は55×40のグリッドの文字枠にデザインされています。
文字によってはバランスをとるため文字枠を上下左右にはみ出してデザインしている文字もあります。固定ベクタ2フォントには、固定ベクタ1フォントにあるベースラインとディセンダの概念はありません。55×40の文字枠は文字をデザインするためだけに使用しており、基本的な文字枠は55×32グリッドです。ただし、LBコマンドの行内最終文字とSMコマンドの印字文字だけは48×32グリッドの文字枠を使用して印字位置を決定し、印字します。以下は固定ベクタ2フォントの「y」と「鯵」のデザイン例です。

  • 固定ベクタ3フォント

固定ベクタ3フォントの文字は127×127のグリッドの文字枠にデザインされています。
127×127の文字枠を55×40の文字枠に変換し、固定ベクタ2フォントと同じように取り扱います。55×40の文字枠に変換した後の文字データは座標値が少数値となります。

  • 固定ドラフティング1フォント

固定ドラフティングフォントの文字は固定ベクタ1フォントと同様に基本的に32×32のグリッドの文字枠にデザインされています。固定ドラフティング1フォントと固定ベクタ1フォントは文字枠の取り扱いは同じですが、デザインのみ異なります。

  • 固定ドラフティング2フォント

固定ドラフティング2フォントの文字は32×32のグリッドの文字枠に小数値でデザインされています。したがって、各文字の各座標点はグリッド位置に適合しません。

  • 可変アークフォント

可変アークフォントの文字高は36グリッドです。
可変アークフォントの文字幅は文字ごとに異なります。ただし、タブやスペースは1文字の文字幅を28グリッドとして扱い、SI/SRコマンドの文字幅(widthパラメータ)は28グリッドの文字幅を指定します。基本的な文字高の一番下の線を「Baseline(ベースライン)」と呼びます。文字によってはバランスをとるため基本的な文字高より上にはみ出したり、ベースラインよりも下にはみ出してデザインされたりする文字もあります。たとえば、「g」、「j」、「y」などの文字の一部はベースラインを下にはみ出してデザインされています。このとき、ベースラインよりも下にはみ出ている部分を「ディセンダ」と呼びます。以下は可変アークフォントの「B」と「y」のデザイン例です。

文字セットがRoman8とRoman Extensionsの場合の、可変アークフォントの各文字の文字幅は次のとおりです。

  • 固定アークフォント

固定アークフォントの基本的な文字枠は30×36グリッドです。ただし、LBコマンドの行内最終文字とSMコマンドの印字文字のみ29×36グリッドの文字枠を使用して印字位置を決定してから印字します。固定アークフォントは、可変アークフォントの文字枠(36×X)を固定アークフォントの文字枠(36×30)に左詰めにしたものです。たとえば、「I」という文字の可変アークフォントの文字幅は1グリッドですが、固定アークフォントではこれを左詰めにし、右側に29グリッドの余白を置いて文字幅を30グリッドとして扱います。可変アークフォントの文字幅が30グリッドを超える場合も左詰めにし、固定アークフォントの文字幅を30グリッドとして扱います。以下は固定アークフォントの「B」と「y」のデザイン例です。

  • ダウンロードフォント

DLコマンドによりユーザがデザインしたダウンロード文字をcharacter set 531(HP-GL Download)に登録することができます。character set 531 ( H P - G L Download)のフォントを「ダウンロードフォント」と呼びます。ダウンロードフォントはLBコマンドとSMコマンドで使用できます。DLコマンドでは登録する文字コードと1つ以上のX、Y座標値(絶対X/Y座標値ペア)を指定します。以下はダウンロードフォントの特徴です。

  • ダウンロードフォントは1バイトフォントです。つまり、character set 531(HP-GL Download)は1バイトフォントの文字セットです。
  • 登録可能な文字コードは0x21~0x7Eであり、最大94文字を登録できます。
  • ダウンロード文字は固定ピッチフォントです。CPセルの各構成要素の値は固定ベクタ1フォントと同じです。
  • ダウンロード文字のX、Y座標値は-127~127の範囲の整数値を指定できます。つまり、基本的な文字枠は32×32ですが、その文字枠をはみ出してデザインできます。
  • ダウンロードフォントは固定ピッチフォントと同等に動作します。すべての文字属性(つまりsize, slant, direction, label origin)はダウンロード文字にも適用されます。
  • パラメータなしのDLコマンドにより、ダウンロード文字をすべて削除します。登録文字コードのみでX、Y座標値のないDLコマンドはその文字コードのダウンロード文字を削除します。また、INコマンド、DFコマンドでもすべてのダウンロード文字を削除します。
  • ダウンロード文字は、あくまで一時的に登録されるものです。したがって、ジョブ終了時にすべてのダウンロード文字は削除されます。


HP-GL/2モードの設定

グラフィックスプロッタと本製品の違いを補うための印刷環境(用紙やレイアウトなど、描画に関わる各種の設定)は、仕様設定メニューで設定できます。

仕様設定メニューの中には、すべてのコマンドモード共通のプリント環境と、エミュレーションなどのコマンドモードごとに設定できる専用の印刷環境がそれぞれグループ化されて並んでいます。

HP-GL/2エミュレーションモードの印刷環境の設定項目や設定値は、この中のHP-GL/2グループに含まれています。「HP-GL/2設定」というグループ階層を選択すると、HP-GL/2エミュレーションモード専用の3種類のメニューグループが表示されます。


HP-GL/2モードの設定項目の種類

HP-GL/2モードの設定

HP-GL/2ステータスプリント

HP-GL/2サンプルプリント


HP-GL/2モードの設定項目の種類

HP-GL/2エミュレーションモードの設定項目は、次の3種類のグループに分かれています。

  • ペングループ
  • 用紙グループ
  • レイアウトグループ

それぞれのグループに含まれる設定項目は次のとおりです。太字で示されている設定値は、工場出荷時の値です。

  • ペングループ
設定項目 設定値
パレット選択 データ,パネル
ペン0*1
太さ 0.0 mm,0.1 mm~5.0 mm
グレー番号*2 0~8
カラー番号*3 *4 0~255
ペン1*1
ペン15*1
*1 「パレット選択」で[パネル]に選択した場合に表示されます。
*2 モノクロプリンタ使用時、またはカラープリンタで共通メニューの「カラーモード」を[モノクロ]に設定した場合に表示されます。
*3 カラープリンタ使用時、共通メニューの「カラーモード」を[フルカラー]または[自動切替]に設定した場合に表示されます。
*4 「ペン」の種類によって、工場出荷時の値が異なります。

設定項目 工場出荷時の値
ペン0
0
ペン1
1
ペン2
2
ペン3
3
ペン4
4
ペン5
5
ペン6
6
ペン7
7
ペン8
8
ペン9
12
ペン10
19
ペン11
27
ペン12
35
ペン13
68
ペン14
100
ペン15
110

  • 用紙グループ
設定項目 設定値
原稿用紙サイズ A0,A1,A2,A3,A4,B0,B1,B2,B3,B4,B5,はがき,レター,レジャー,ユーザ定義用紙
ユーザ定義用紙*1 高さ 100.0~297.0~2000.0 mm
100.0~210.0~2000.0 mm
出力用紙サイズ*2 A3,A4,B4,B5,はがき,レター,レジャー
*1 「原稿用紙サイズ」で[ユーザ定義用紙]を選択した場合に表示されます。
*2 お使いの機種によって、表示される出力用紙サイズの種類は異なる場合があります。

  • レイアウトグループ
設定項目 設定値
イメージの向き ,横
解像度 75 dpi,150 dpi,300 dpi,600 dpi,1200 dpi
拡大/縮小 しない,自動,手動
拡大/縮小率* 長辺/短辺 25.0 ~ 100.0 ~ 200.0 %
余白 0.0 ~ 5.0 ~ 50.0 mm
0.0 ~ 5.0 ~ 50.0 mm
0.0 ~ 5.0 ~ 50.0 mm
0.0 ~ 5.0 ~ 50.0 mm
座標回転 ,90°,180°,270°
ミラー反転 する,しない
クリップモード データ,パネル
* 「拡大/縮小」で[手動]を選択した場合に表示されます。

本製品には、不揮発性メモリ(設定値を書き込んだり登録したりできるメモリで、電源をオフにしても内容は消えません)が組み込まれており、HP-GL/2エミュレーションモードの設定値は自動的に登録されます。したがって、いったん値を設定しておけば、他のコントロールコマンドに切り替えても、再びHP-GL/2エミュレーションモードに戻ったときに前回と同じ設定値で印刷することができます。


HP-GL/2モードの設定

HP-GL/2エミュレーションモードの設定項目の内容について説明します。



ペングループ

ペングループでは、グラフィックスプロッタの16種類のペンに対応する線の太さ(ペンの太さ)と色に関する設定を行います。



パレットを選択する(パレット選択)

ペンの太さと色をアプリケーションソフトウェアで設定するか、またはパネルで設定するかを選択します。

  • データ

ペンの太さと色をアプリケーションソフトウェアで設定します。

  • パネル

ペンの太さと色をパネルで設定します。


ペンの太さを設定する(太さ)


ペンの太さを設定する(太さ)

グラフィックスプロッタの16種類のペンに対応する線の太さを設定します。


【範囲】 0.0~5.0 mm(0.1 mmずつ増減)

拡大/縮小モードで印刷した場合も、それぞれのペンの線の太さはここで指定した太さになります。

図面を拡大した場合、ベタ塗りを行うときは、輪郭線より太い線を使用しないと塗りつぶせない部分(白く抜けた部分)ができることがあります。

パレットを選択する(パレット選択)


ペンの濃淡を設定する(グレー番号)

グラフィックスプロッタの16種類のペンの色に対応するグレーの濃淡を設定します。
本製品ではカラー描画の代わりに、9種類のグレーパターンによる濃淡で色の違いを表現します。
モノクロプリンタを使用している場合、またはカラープリンタを使用し、共通メニューの「カラーモード」を[モノクロ]に設定している場合のみ設定できます。


【範囲】 0~8
それぞれの番号に対応するグレーパターンは、「サンプルプリント」を参照してください。


カラー印刷時のペン色を色番号で設定する(カラー番号)

グラフィックスプロッタの15種類のペンに対応する色(カラー)を色番号で設定します。


【範囲】 0~255
サンプルプリントで印刷される0から255番の色サンプルからそれぞれのペンの色を選択します。

* 「ペン」の種類によって、工場出荷時の値が異なります。

設定項目 工場出荷時の値
ペン0
0
ペン1
1
ペン2
2
ペン3
3
ペン4
4
ペン5
5
ペン6
6
ペン7
7
ペン8
8
ペン9
12
ペン10
19
ペン11
27
ペン12
35
ペン13
68
ペン14
100
ペン15
110

この設定項目は、カラープリンタを使用し、共通メニューの「カラーモード」を[フルカラー]または[自動切替]に設定した場合のみメニューに追加表示されます。


用紙グループ

用紙グループでは、作図を行ったときの用紙サイズに関する設定を行います。



作図データのサイズを設定する(原稿用紙サイズ)

作図データのサイズを設定します。

  • A0、A1、A2、A3、A4、B0、B1、B2、B3、B4、はがき、B5、レター、レジャー、ユーザ定義用紙

それぞれの定型サイズまたはユーザ定義サイズが選べます。


作図データのサイズは、論理的なサイズであり、実際に印刷するときにセットする用紙サイズと同じとは限りません。

拡大/縮小モードがオフの場合、原稿用紙サイズと出力用紙サイズが異なると用紙交換のメッセージが表示されます。この場合は、エラースキップの操作を行ってください。 原稿用紙サイズと出力用紙サイズが異なったままでは正しく印刷できませんので、原稿用紙サイズと出力用紙サイズを合わせるか、または拡大/縮小モードを[自動]、[手動]にしてください。

用紙サイズと作図範囲


作図用紙のサイズをユーザ定義で設定する(ユーザ定義用紙)

メニューの用紙グループの「原稿用紙サイズ」で[ユーザ定義用紙]を設定した場合、作図用紙の高さと幅を任意の長さで設定します。

  • 高さ

作図用紙の高さ(用紙長)を設定します。


【範囲】 100.0~2000.0 mm(0.1 mmずつ増減)
初期状態は297.0 mmとなります。

作図用紙の幅を設定します。


【範囲】 100.0~2000.0 mm(0.1 mmずつ増減)
初期状態は210.0 mmとなります。


拡大/縮小時の用紙サイズを設定する(出力用紙サイズ)

メニューのレイアウトグループの「拡大/縮小」を[自動]もしくは[手動]に設定している場合に、出力したい用紙サイズを設定します。

  • A4、B4、A3、はがき、B5、レター、レジャー

選択された用紙サイズに拡大/縮小して出力します。


お使いの機種によって、使用できる出力用紙サイズの種類は異なる場合があります。

拡大/縮小時の用紙サイズを設定する(出力用紙サイズ)


レイアウトグループ

レイアウトグループでは、拡大や縮小、回転など、作図データの印刷時に使用できる機能に関する設定を行います。



作図データの画像の向きを設定する(イメージの向き)

HP RTLモードの画像を縦方向にプリントするか、横方向にプリントするかを設定します。

HP RTLモードの画像を縦方向にプリントします。

HP RTLモードの画像を横方向にプリントします。


本項目で画像の向きを「縦」に設定しても、PSコマンドでの用紙の設定およびハードクリップによって、クリップ後の高さより幅が大きくなる場合には、横方向にプリントされます。


作図データの解像度を設定する(解像度)

HP RTLモードの画像の解像度を設定します。

  • 75 dpi、150 dpi、300 dpi、600 dpi、1200 dpi

画像の解像度を設定します。解像度は1インチあたりのドット数を示すdpi(dot per inch)という単位で表されます。


共通メニューで設定した解像度は、HP-GL/2モードのデータ処理には無効です。したがって、共通メニューの「解像度」の設定と本項目の解像度の設定が異なっても、HP-GL/2およびHP-RTLモードの画像には影響しません。


作図データを拡大/縮小して印刷する(拡大/縮小)

拡大/縮小モードを設定します。

  • しない

拡大/縮小を行いません。
作図データを等倍でセットされた用紙に印刷します。
「原稿用紙サイズ」の設定より小さい用紙に印刷した場合、はみ出した図形や文字は描画されません。

  • 自動

定形用紙間での拡大/縮小を行います。
作図データを「出力用紙サイズ」で設定した用紙に収まるような倍率で、拡大または縮小印刷が行われます。

  • 手動

倍率指定による拡大/縮小を行います。
用紙の長辺および短辺にそれぞれ指定した倍率で、作図データを拡大または縮小して印刷します。


拡大/縮小モードを使用しない場合、原稿用紙のサイズと出力用紙サイズが異なると用紙交換のメッセージが表示されます。この場合は、エラースキップの操作を行ってください。原稿用紙サイズと出力用紙サイズが異なったままでは正しく印刷できませんので、原稿用紙サイズと出力用紙サイズを合わせてください。

作図データの拡大/縮小
拡大/縮小時の長辺と短辺の倍率を設定する(拡大/縮小率)


拡大/縮小時の長辺と短辺の倍率を設定する(拡大/縮小率)

メニューのレイアウトグループの「拡大/縮小」で拡大/縮小モードを[手動]に設定した場合、長辺および短辺の倍率を個別に設定します。

  • 長辺

長辺の倍率を設定します。


【範囲】 25 %~200 %(0.1 %ずつ増減)

  • 短辺

短辺の倍率を設定します。


【範囲】 25 %~200 %(0.1 %ずつ増減)

たとえば、A3サイズ(420×297 mm)の作図データをA4サイズ(297×210 mm)の用紙に縮小印刷する場合、短辺の縮小率を最大70.70 %、長辺の縮小率を最大70.71 %に設定すればA4用紙に収まることになります。

作図データの拡大/縮小
作図データを拡大/縮小して印刷する(拡大/縮小)


作図データの余白を設定する(余白)

上下左右の余白の範囲を指定して、原稿用紙および出力用紙のハードクリップ領域(作図範囲)を設定します。


  • 本メニューで指定した余白の範囲は、原稿用紙および出力用紙の両方に適用されます。したがって、用紙を拡大/縮小した場合、ハードクリップ領域は拡大/縮小されますが、余白の範囲だけは同じままです。
    拡大/縮小モードと同時に使用する場合は、拡大/縮小後の用紙サイズになります。
  • メニューのレイアウトグループの「クリップモード」を[パネル]に設定した場合、本メニューで上下左右の余白を設定できます。
  • PSコマンドにより用紙選択が行なわれた場合は、本メニューで指定した上下左右の余白値は無視されます。
  • メニューのレイアウトグループの「クリップモード」を[データ]に設定した場合でも、ユーザ定義用紙が原稿用紙として選択されたときは、本メニューで指定した上下左右の余白値が設定できます。


座標系の回転を設定する(座標回転)

印刷時の座標系の回転を設定します。

  • 0°、90°、180°、270°

回転角度を90°単位で指定します。0°のときは座標を回転しません。


座標回転とミラー反転の機能を組み合わせると、たとえば円筒形の上面と下面の図を印刷するような場合に、どちらか一方の作図データがあれば両方の図を印刷できます。ミラー機能では、上面から見た場合の文字や数字なども下面からでは逆に投影されることになります。

座標の回転とミラー機能


ミラー反転を設定する(ミラー反転)

印刷時の座標系のミラー反転を設定します。

  • する

作図データの座標を印刷時にミラー反転します。

  • しない

座標のミラー反転を行わず、通常の印刷を行います。


ミラー反転の基準は、用紙の短辺方向の座標軸の中心点を通る垂線になります。

座標の回転とミラー機能


用紙サイズを選択する(クリップモード)

用紙サイズの選択方法をアプリケーションソフトウェアで設定するか、またはパネルで設定するかを選択します。

  • データ

PSコマンドによって指定したハードクリップ領域を元に用紙サイズを選択します。

原稿用紙サイズ:

PSコマンドによって指定したハードクリップ領域と同じまたは大きいサイズのうち、最もハードクリップ領域サイズに近い定型用紙を「原稿用紙サイズ」として選択します。この設定は、メニューの用紙グループの「原稿用紙サイズ」で設定した原稿用紙サイズよりも優先されます。
詳しくは、「プロットサイズ設定命令」をご覧ください。

出力用紙サイズ:

  • メニューのレイアウトグループの「拡大/縮小」が[自動]または[手動]の場合
    パネル設定(メニューの用紙グループの「出力用紙サイズ」)で設定した用紙サイズを出力用紙サイズとして選択します。
  • メニューのレイアウトグループの「拡大/縮小」が[しない]の場合
    PSコマンドによって設定した「原稿用紙サイズ」*1 を「出力用紙サイズ」として選択します。この設定は、メニューの用紙グループの「出力用紙サイズ」で設定した出力用紙サイズよりも優先されます。ただし、選択された原稿用紙サイズが本製品で使用できる「出力用紙サイズ」*2 以外のときは、次のように設定されます。
  • ジョブの1ページ目が、使用できる「出力用紙サイズ」以外のとき
    メニューの用紙グループの「出力用紙サイズ」で設定した出力用紙サイズが設定されます。2ページ目以降も1ページ目で選択された出力用紙サイズが選択されます。
  • ユーザ定義用紙が原稿用紙サイズのとき
    メニューの用紙グループの「出力用紙サイズ」の工場出荷時の値(A4)が選択され ます。

*1 本製品で使用できる「原稿用紙サイズ(定型用紙)」は、はがき、B5、B4、B3、B2、B1、B0、A4,、A3、A2、A1、A0、レター、レジャーです。
*2 本製品で使用できる「出力用紙サイズ」は、はがき、B5、B4、A4、A3、レター、レジャーです。

PSコマンドによって選択した原稿用紙サイズ 選択される出力用紙サイズ
はがき、B5、B4、A4、A3、レター、レジャー 原稿用紙サイズと同じサイズ
B3、B2、B1、B0、A2、A1、A0 メニューの用紙グループの「出力用紙サイズ」で
設定した出力用紙サイズ(パネル値)
ユーザ定義用紙 A4

  • パネル

パネル設定(メニューの用紙グループの「原稿用紙サイズ」と「出力用紙サイズ」)を元に用紙サイズを選択します。

原稿用紙サイズ:

メニューの用紙グループの「原稿用紙サイズ」で設定した用紙サイズを原稿用紙サイズとして選択します。

出力用紙サイズ:

メニューの用紙グループの「出力用紙サイズ」で設定した用紙サイズを出力用紙サイズとして選択します。


プロットサイズ設定命令
作図データのサイズを設定する(原稿用紙サイズ)
拡大/縮小時の用紙サイズを設定する(出力用紙サイズ)


HP-GL/2ステータスプリント

HP-GL/2エミュレーションモードのプリント環境(メニューの設定など)は、HP-GL/2ステータスプリントで確認できます。


「ステータスプリント」は、以下の手順で出力します。
1. [初期設定/登録]キーを押したあと、[レポート出力]を押します。
2.「リストプリント」の[プリンタ]を押します。
3.[LIPS/エミュレーション]を押します。
4.[HP-GL/2ユーティリティ]を押します。
5.[ステータスプリント]を押して出力します。


ここに掲載されているステータスプリントはサンプルです。お使いのプリンタで出力したステータスプリントとは一部内容が異なる場合があります。


HP-GL/2サンプルプリント

メニューのペングループの「ペン」設定でインデックス番号を選択するための色見本および「ペン」の[太さ]を確認するためのサンプルを印刷します。
共通メニューの「カラーモード」が「フルカラー」または「自動切替」の場合には、[カラー番号]に対応する色見本が印刷され、「モノクロ」の場合には、[グレー番号]に対応する色見本が印刷されます。

サンプルプリントでは、次のメニューの実際の設定値ではなく、工場出荷時の値で出力レイアウトを行います。

  • パレット選択:データ
  • 原稿用紙サイズ:A4
  • 出力用紙サイズ:A4
  • イメージの向き*
  • イメージの解像度*
  • 拡大/縮小:しない
  • 余白(上余白/下余白/左余白/右余白):5.0 mm
  • 座標回転*
  • ミラー反転:しない
* サンプルプリントの印刷には、設定による影響はありません。

「サンプルプリント」は、以下の手順で出力します。
1. [初期設定/登録]キーを押したあと、[レポート出力]を押します。
2.「リストプリント」の[プリンタ]を押します。
3.[LIPS/エミュレーション]を押します。
4.[HP-GL/2ユーティリティ]を押します。
5.[サンプルプリント]を押して出力します。



制御命令

HP-GL/2エミュレーションモードで使用できる制御命令について説明します。独自の制御プログラムを作成するときなどに、必要に応じてお読みください。

作図データや文字を本製品で印刷する際は、制御命令によって作図の細かい指示が行われています。本エミュレーションモードでは、HP Designjet 800でサポートしているHP-GL/2(Hewlett Packard-Graphics Language)命令およびHP RTL(Hewlett Packard Raster Transfer Language)命令によって図面やグラフを描くことができます。
アプリケーションソフトウェアを使用して印字するときは、アプリケーションソフトウェア側で自動的にこの制御命令を送り出しています。独自に作成したプログラムで印字する場合は、本カテゴリに記載される制御命令の説明をご覧ください。



制御命令の種類

HP-GL/2およびHP RTL命令の書式について説明します。



HP-GL/2命令の書式

HP-GL/2命令には、決まった書式があります。
たとえば、HP-GL/2の作図命令を使って、座標(1000,500)から(2000,3000)の位置まで直線を引く場合、次のような命令を送ります。


PA1000,500;
PD;
PA2000,3000;
PU;

本製品は、この命令を受け取ると、座標(1000,500)に現在位置を移動して、その点から座標(2000,3000)までの間に、現在選択されているペン(線の太さ、グレータイプおよび指定カラー)で直線を引きます。

「PA」、「PD」などの先頭のアルファベットの2文字が命令を示します。
命令によっては、いくつかのパラメータを伴うものがあります。
たとえば、「PA」の後ろには座標を示す2つのパラメータが必要になります。パラメータが複数の場合は、パラメータの間に「,」をつけてパラメータを区切ります。
また、命令の最後には、その命令の終わりを示すターミネータ「;」を付けます。パラメータの不要な命令では、省略することも可能で、次の命令を続けて送ることもできます。
(本エミュレーションモードでは、HP-IBインタフェースを使用できませんので、 LF コードをターミネータとして使用することはできません。)

なお、文字プロットに関する命令(LB命令)では、ターミネータに ETX コードを使用します。
文字プロット命令以降に続く文字列データの最後に ETX コードを付加します。ただし、ホストコンピュータ上の問題で ETX コードを使用できない場合は、ターミネータ設定命令によって ETX コードをほかの文字キャラクタに変更することも可能です。

HP-GL/2命令のパラメータには、次の3種類のデータの種類(型)があります。


整数型 整数値を指定します。
  • 整数型の指定範囲:-8388608~+8388607
    例:ペン選択命令 SP2;
実数型 実数値を指定します。
  • 実数型(sd)の指定範囲:-8388608.00000000~+8388607.00000000
    例:絶対文字方向命令 DI2.5,-2;
文字型 文字、数式、文字変数などを指定します。
  • 例:文字プロット命令 LBPLOTTER ETX

表中の指定範囲は、HP-GL/2でエラーにならない値であり、実際の有効範囲(パラメータとして意味を持つ値)は命令によって異なります。

命令によっては、パラメータを必ず指定するものと、省略できるものがあります。以降の説明では、それぞれのパラメータを2種類のカッコで区別しています。
また、カッコの中には、パラメータのデータ型を示します。


  • <         >

:必ず指定するパラメータ

  • 《         》

:省略できるパラメータ

  • <      (i)>

:整数型

  • <     (sd)>

:実数型

  • <   (DEC)>

:整数型文字データ(10進数)

  • <   (ASC)>

:文字型データ(ASCII文字)



HP RTL命令の書式

HP RTLコマンドは、Escape Sequenceコードに基づくコマンド体系です。本コマンドはJISのESC(16進数:1B)文字に始まり、二つ以上の文字で構成されています。
たとえば、パラメータ付きのEscape Sequenceコードは以下の形式で構成されています。

入力例: Esc X y # Z

  • X : パラメータ文字('%'、'&'、'*')
  • y* : グループ文字('a'、'b'、'n'、'r' 、't' 、'v')
  • #* : 各命令に対応する数値を指定します。
  • Z : 終了文字
  • [Data] : バイナリデータ(8ビット)
* 命令によっては、省略できるものもあります。

実際のコマンドには、スペースは含まれません。



制御命令一覧


制御コード

機能 書式
文字プロットターミネータ ETX 03h
バックスペース BS 08h
1/2文字バックスペース HT 09h
ラインフィード LF 0Ah
逆ラインフィード VT 0Bh
キャリッジリターン CR 0Dh
補助フォントを選択 SO 0Eh
標準フォントを選択 SI 0Fh
スペース SP 20h


HP-GL/2命令

機能 書式
絶対座標円弧プロット命令 AA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
アンカー座標命令 AC《X座標(sd)》《,Y座標(sd);
補助フォント指定命令 AD《種類(i)》《,値(sd)》……《,種類(i)》《,値(sd)》;
相対座標円弧プロット命令 AR<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
3点絶対円弧命令 AT <X中間座標(sd)>,<Y中間座標(sd)>,<X終点座標(sd)>,<Y終点座標(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
開始プロット命令 BP《種類(i),値(sd)》;
相対座標ベジェ曲線命令 BR<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>……《,第1X座標(sd)》《,第1Y座標(sd)》《,第2X座標(sd)》《,第2Y座標(sd)》《,第3X座標(sd)》《,第3Y座標(sd)》;
絶対座標ベジェ曲線命令 BZ <第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>……《,第1X座標(sd)》《,第1Y座標(sd)》《,第2X座標(sd)》《,第2Y座標(sd)》《,第3X座標(sd)》《,第3Y座標(sd)》;
円プロット命令 CI <半径(sd)>《,分解能(sd)》;
注釈入力命令 CO《"文字列データ(ASC)"》;
ペン移動命令(文字数単位) CP《横方向文字数(sd)》《,縦方向行数(sd)》;
相対座標色範囲命令 CR《黒参照の赤(sd)》《,白参照の赤(sd)》《,黒参照の緑(sd)》《,白参照の緑(sd)》《,黒参照の青(sd)》《,白参照の青(sd)》;
分解能モード指定命令 CT《モード(i)》;
標準値状態設定命令 DF;
絶対値による文字方向設定命令 DI《run値(sd)》《,rise値(sd)》;
ダウンロードキャラクタ定義命令 DL《文字番号(i)《,コントロール値(i)》,X座標値(i),Y座標値(i),……《,コントロール値(i)》,……》;
相対値による文字方向設定命令 DR《run値(sd)》《,rise値(sd)》;
文字列ターミネータ指定命令 DT<文字(ASC)>;
文字プロットパス命令 DV《パス(i)》《,行(i)》;
絶対座標長方形プロット命令 EA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;
相対座標長方形プロット命令 ER<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;
NCPセル間隔設定命令 ES《文字間隔(sd)《,行間隔(sd)》》;
扇形プロット命令 EW<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
多角形塗りつぶし命令 FP;
塗りつぶし選択命令 FT《種類(i)《,間隔(sd)《,角度(sd)》》》;
初期値設定命令 IN;
P1とP2入力命令 IP《P1のX座標(i),P1のY座標(i)》《,P2のX座標(i),P2のY座標(i)》;
相対座標P1P2入力命令 IR《P1のX座標(sd),P1のY座標(sd)》《,P2のX座標(sd),P2のY座標(sd)》;
ウィンドウ設定命令 IW《左下のX座標(i),左下のY座標(i),右上のX座標(i),右上のY座標(i)》;
線の属性指定命令 LA《種類(i = 1)》《,値(i)》《,種類(i = 2)》《,値(i)》《,種類(i = 3)》《,値 (sd)》;
文字プロット命令 LB《文字列データ(ASC)》 ETX
文字プロットモード命令 LM<モード(i)>,<行数(i)>;
文字プロット位置指定命令 LO《基準位置(i)》 ETX
線の種類選択命令 LT《パターン番号(i)《,パターン長(sd)》》;
合成色制御命令 MC《モード(i)》《,オプションコード(i)》;
ペン数量命令 NP《n(i)》;
ペン移動命令(絶対座標) PA《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),……,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;
ペンの色指定命令 PC《ペン(i)《,R(sd),G(sd),B(sd)》》;
ペン下げ命令 PD《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),……,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;
ポリライン暗号化命令 PE《フラグ(ASC)》《,値(i)《,X座標(i),Y座標(i)》》……《,フラグ(ASC)》《,値(i)《,X座標(i),Y座標(i)》》<;>
印刷開始命令 PG;
多角形定義モード設定命令 PM<モード(i)>;
画素配置命令 PP《モード(i)》;
ペン移動命令(相対座標) PR《X1増分(i/sd),Y1増分(i/sd)》《,X2増分(i/sd),Y2増分(i/sd),……,Xn増分(i/sd),Yn増分(i/sd)》;
プロットサイズ設定命令 PS《高さ(i)》《,幅(i)》;
ペン上げ命令 PU《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),……,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;
ペン幅命令 PW《幅(sd)《,ペン(i)》》;
絶対座標長方形塗りつぶし命令 RA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;
ラスタ塗りつぶし定義命令 RF《インデックス(i)《,幅(i),高さ(i),ペン数(i)》》……《,インデックス(i)《,幅(i),高さ(i),ペン数(i)》》;
座標系回転命令 RO《角度(i)》;
リプロット命令 RP《枚数(i)》;
相対座標長方形塗りつぶし命令 RR<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;
3点相対円弧命令 RT<X中間座標(sd)>,<Y中間座標(sd)>,<X終点座標(sd)>,<Y終点座標(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
補助フォント選択命令 SA;
スケーリング設定命令 SC《X最小値(i),Y最小値(i),X最大値(i),Y最大値(i)》;
標準フォント定義命令 SD《種類(i)》《,値(sd)》……《,種類(i)》《,値(sd)》;
文字サイズ指定命令(絶対値) SI《文字の幅(sd),文字の高さ(sd)》;
斜体文字命令 SL《tanθ(sd)》;
シンボルモード命令 SM《シンボル(ASC)》;
ペン選択命令 SP《ペン番号(i)》;
文字サイズ指定命令(相対値) SR《文字の幅(sd),文字の高さ(sd)》;
標準フォント選択命令 SS;
網掛けベクタ命令 SV《網掛けパターン(i)》《,オプション1(i)《,オプション2(i)》》;
透過データ命令 TD《モード(i)》;
透過モード命令 TR《モード(i)》;
ユーザ定義型線の種類選択命令 UL《インデックス(i)《,間隔(sd)》……》;
扇形塗りつぶし命令 WG<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
ペン幅の単位選択命令 WU《モード(i)》;


HP RTL命令

機能 書式
Enter RTL Mode命令 ESC %#A
Enter HP-GL/2 Mode命令 ESC %#B
Reset命令 ESC E
Universal Exit Language命令 ESC %#X
Move CAP Horizontal (decipoint)命令 ESC &a#H
Raster Line Path命令 ESC *b#L
Compression Method命令 ESC *b#M
Transfer Raster Data by Plane命令 ESC *b#V
Transfer Raster Data by Row/Block命令 ESC *b#W
Y Offset命令 ESC *b#Y
Pattern ID命令 ESC *c#G
Pattern Control命令 ESC *c#Q
Download Pattern命令 ESC *c#W
Configure Raster Data命令 ESC *g#W
Logic Operation命令 ESC *l#O
Push/Pop Palette命令 ESC *p#P
Pattern Reference Point命令 ESC *p#R
Move CAP Horizontal (RTL unit)命令 ESC *p#X
Move CAP Vertical (RTL unit)命令 ESC *p#Y
Start Raster Graphic命令 ESC *r#A
Source Raster Width命令 ESC *r#S
Source Raster Height命令 ESC *r#T
Simple Color命令 ESC *r#U
End Raster Graphic命令 ESC *rC
Destination Raster Width命令 ESC *t#H
Set Graphics Resolution命令 ESC *t#R
Destination Raster Height命令 ESC *t#V
Set Red Parameter命令 ESC *v#A
Set Green Parameter命令 ESC *v#B
Set Blue Parameter命令 ESC *v#C
Assign Color Index命令 ESC *v#I
Source Transparency Mode命令 ESC *v#N
Pattern Transparency Mode命令 ESC *v#O
Foreground Color命令 ESC *v#S
Current Pattern命令 ESC *v#T
Configure Image Data命令 ESC *v#W

本エミュレーションモードでは、次のHP-GL/2命令はサポートしていません。


命令名
CF Character Fill
DC ディジタイズモードのクリア(無視)
DP ディジタイズモードの設定(無視)
FI Primary Font Selection by ID
FN Secondary Font Selection by ID
FR 長軸作図のために相対座標系などの計算を行う
MG Message
MT Media Type
NR Not Ready
OD Output Digitized Point and Pen Status
OE エラー番号を出力可能にする
OH ハードクリップリミットを出力可能にする
OI プロッタの機種を出力可能にする
OP スケーリングポイントを出力可能にする
QL Quality Level
SB Scalable or Bitmap Fonts
ST テキストの位置を指定
VS ペン速度の指定


HP-GL/2モードの制御命令

HP-GL/2命令について説明します。



制御コード

HP Designjet 800の制御コードのうち、プロッタの制御を行う機能が割り当てられているものについて説明します。



文字プロットターミネータ

プロットする文字列の終わりを表す文字キャラクタで、文字プロットのモードを解除します。


JIS ETX

16進数 03h

ホストコンピュータ側で ETX コードをターミネータとして使用できない場合は、「文字列ターミネータ指定命令DT」によって、文字プロットのターミネータとなる文字キャラクタを変更することもできます。

文字列ターミネータ指定命令 DT
シンボルモード命令 SM


バックスペース

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、プロット位置を1文字分左に戻します。


JIS BS

16進数 08h


1/2文字バックスペース

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、プロット位置を1/2文字分左に戻します。


JIS HT

16進数 09h


ラインフィード

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、プロット位置を1行分下げます。


JIS LF

16進数 0Ah


逆ラインフィード

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、プロット位置を1行分上げます。


JIS VT

16進数 0Bh


キャリッジリターン

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、プロット位置を現在行の左端に移動します。


JIS CR

16進数 0Dh


補助フォントを選択

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、現在の補助フォントに選択されているフォントを使用します。


JIS SO

16進数 0Eh

本制御コードは、「補助フォント選択命令SA」と同じです。

補助フォント選択命令 SA


標準フォントを選択

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、現在の標準フォントに選択されているフォントを使用します。


JIS SI

16進数 0Fh

本制御コードは、「標準フォント選択命令SS」と同じです。

標準フォント選択命令 SS


スペース

プロットする文字列中に本制御コードを使用すると、プロット位置を1文字先に進めます。


JIS SP

16進数 20h


HP-GL/2命令

HP Designjet 800で使用できるHP-GL/2命令について説明します。
本エミュレーションモードで意味の異なる命令については、それぞれの命令の中でその内容を説明します。



絶対座標円弧プロット命令(AA)

指定する絶対座標を中心とし、現在のペン位置が始点となる円弧を描画します。


JIS AA <X座標 (sd)>,<Y座標 (sd)>,<中心角 (sd)>《,分解能 (sd)》;

16進数 41h 41h <X座標 (sd)> 2Ch <Y座標 (sd)> 2Ch <中心角 (sd)> 《2Ch 分解能 (sd)》 3Bh


<X座標 (sd)> <Y座標 (sd)>
円弧の中心点を絶対座標で指定します。

<中心角 (sd)>
円弧の角度を指定します。正の値を指定すると現在のペン位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。

《分解能 (sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値: 5度(角度モード)

円弧は、直前のペン状態 (UP/DOWN)と現在のペンの種類で描かれます。
円弧は現在のウィンドウ内にのみ描きますが、中心座標は作図範囲内である必要はありません。

ペン移動命令(絶対座標) PA


アンカー座標命令(AC)

塗りつぶしを行うときの始点を指定します。


JIS AC 《X座標 (sd)》 《,Y座標 (sd);

16進数 41h 43h 《X座標 (sd)》 《2Ch Y座標 (sd) 3Bh

《X座標 (sd)》 《Y座標 (sd)》
塗りつぶしする座標の開始点を指定します。

プロッタユニットでXとYの座標位置を指定した場合、スケーリングをオンにしたり、P1とP2の座標位置を変更したりしても、アンカーの座標位置に影響はありません。ユーザユニットでXとYの座標位置を指定した場合、スケーリングをオンにしたり、P1とP2の座標位置を変更したりしただけ、アンカーの座標位置が移動します。


補助フォント指定命令(AD)

補助フォントの属性を指定します。


JIS AD 《種類(i)》 《,値 (sd)》 …… 《,種類 (i)》 《,値 (sd)》;

16進数 41h 44h 《種類 (i)》 《2Ch値 (sd)》 …… 《2Ch種類 (i)》 《2Ch値 (sd)》 3Bh

《種類 (i)》
属性の種類を指定します。

種類 属性
1
Character Set (文字セット)
2
Font Spacing (文字間隔)
3
Pitch (文字ピッチ)
4
Height (サイズ)
5
Posture (スタイル)
6
Stroke Weight (太さ)
7
Typeface (書体)

《値 (sd)》
  • Character Set (文字セット)
文字セットの属性を指定します。

設定 設定
0 (= 277)
Roman8
426
Ventura International
1
Math-7
458
Ventura U.S.
2
Line Draw-7
11
JIS ASCII
3
HP Large Characters
43
Katakana
4
Norwegian v1
267
Kana-8
37
United Kingdom
299
Korean-8
38
French
1611
JIS Kanji-1
39
German
1643
JIS Kanji-2
263
Greek-8
12
Line Draw-7
8
Hebrew-7
44
HP Block Characters
264
Hebrew-8
76
Tax Line Draw
9
Italian
268
Line Draw-8
202
Microsoft Publishing
300
Ventura ITC Zapf Dingbats
234
DeskTop
330
PS Text
332
PS ITC Zapf Dingbats
364
ITC Zapf Dingbats Series 100
531
HP-GL Download
563
HP-GL Drafting
396
ITC Zapf Dingbats Series 200
595
HP-GL Special Symbols
20
Thai-8
428
ITC Zapf Dingbats Series 300
276
Turkish-8
21
ANSI US ASCII
13
Math-7
53
Legal
45
Tech-7 (DEC)
181
HPL Language Set
173
PS Math
245
OEM-1 (DEC Set)
205
Ventura Math
277 (=0)
Roman8
269
Math-8
309
Windows
14
ECMA-94 Latin 1 (8-bit version)
341
PC-8
373
PC-8 Denmark/Norway
78
ECMA-94 Latin 2
405
PC-850
174
ECMA-128 Latin 5
501
Pi Font
334
ECMA-113/88 Latin/Cyrillic
565
PC-852
22
Arabic (MacKay's Version)
15
OCR-A
278
Arabic-8
47
OCR-B
25
3 of 9 Barcode
79
OCR-M
57
Industrial 2 of 5 Barcode
16
APL (typewriter-paired)
89
Matrix 2 of 5 Barcode
48
APL (bit-paired)
153
Interleaved 2 of 5 Barcode
145
PC Line
18
Cyrillic ASCII
185
CODABAR Barcode
50
Cyrillic
217
MSI/Plessey Barcode
114
PC Cyrillic
249
Code 11 Barcode
19
Swedish for names
281
UPC/EAN Barcode
83
Spanish
505
USPS Zip
243
HP European Spanish
26
Not used
275
HP Latin Spanish

省略値: 0または277 (Roman8)

  • Font Spacing (文字間隔)
文字間隔の属性を指定します。

設定
0
fixed spacing
1
variable spacing

省略値: 0 (fixed spacing)

  • Pitch (文字ピッチ)
文字ピッチの属性を指定します。

指定範囲: 0~32,767.9999

  • Height (サイズ)
サイズの属性を指定します。

指定範囲: 0~32,767.9999

  • Posture (スタイル)
スタイルの属性を指定します。

設定
0
upright
1
Italic

  • Stroke Weight (太さ)
太さの属性を指定します。

設定
-7
very light
-3
light
0
normal
3
bold
7
very bold
9999
*
* Typeface(書体)でstick fontを指定した場合にのみ適用されます。また、stick fontは現在のペンの太さで描画されます。

省略値: 0 (normal)

  • Typeface (書体)
書体の属性を指定します。

設定 設定
0
Line Printer or Line Draw
39
Baskerville
1
Pica
41
Trade Gothic
2
Elite
42
Goudy Old Style
3
Courier
43
ITC Zapf Chancery
4
Helvetica
44
Clarendon
5
Times Roman
45
ITC Zapf Dingbats
6
Letter Gothic
46
Cooper
7
Script
47
ITC Bookman
8
Prestige
48
Stick (default)
9
Caslon
49
HP-GL Drafting
10
Orator
50
HP-GL fixed and variable arc
11
Presentation
13
Serifa
51
Gill Sans
14
Futura
52
Univers
15
Palatino
53
Bodoni
16
ITC Souvenir
54
Rockwell
17
Optima
55
Melior
18
ITC Garamond
56
ITC Tiffany
20
Coronet
57
ITC Clearface
21
Broadway
58
Amelia
23
Century Schoolbook
59
Park Avenue
24
University Roman
60
Handel Gothic
27
ITC Korinna
61
Dom Casual
28
Naskh (generic Arabic typeface)
62
ITC Benguiat
63
ITC Cheltenham
29
Cloister Black
64
Century Expanded
30
ITC Galliard
65
Franklin Gothic
31
ITC Avant Garde Gothic
68
Plantin
32
Brush
69
Trump Mediaeval
33
Blippo
70
Futura Black
34
Hobo
71
ITC American Typewriter
35
Windsor
72
Antique Olive
38
Peignot
73
Uncial
74
ITC Bauhaus
101
Garamond (Stempel)
75
Century Oldstyle
102
Garth Graphic
76
ITC Eras
103
ITC Ronda
77
ITC Friz Quadrata
104
OCR-A
78
ITC Lubalin Graph
105
ITC Century
79
Eurostile
106
Englische Schreibschrift
80
Mincho
107
Flash
81
ITC Serif Gothic
108
Gothic Outline (URW)
82
Signet Roundhand
109
Stencil (ATF)
83
Souvenir Gothic
110
OCR-B
84
Stymie
111
Akzidenz-Grotesk
87
Bernhard Modern
112
TD Logos
89
Excelsior
113
Shannon
90
Grand Ronde Script
114
ITC Century
91
Ondine
152
Maru Gosikku
92
P.T.Barnum
153
Gosikku (Kaku)
93
Kaufman
154
Socho
94
ITC Bolt Bold
155
Kyokasho
96
Helv Monospaced
156
Kaisho
97
Revue


相対座標円弧プロット命令(AR)

現在のペン位置からの相対的な位置を中心とし、現在のペン位置が始点となる円弧を描きます。


JIS AR <X増分 (sd)>,<Y増分 (sd)>,<中心角 (sd)> 《,分解能 (sd)》;

16進数 41h 52h <X増分 (sd)> 2Ch <Y増分 (sd)> 2Ch <中心角 (sd)> 《2Ch 分解能 (sd)》 3Bh


<X増分 (sd)><Y増分 (sd)>
円弧の中心点を現在のペン位置から相対座標で指定します。

<中心角 (sd)>
円弧の角度を指定します。正の値を指定すると現在のペン位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。

《分解能 (sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値: 5度(角度モード)

円弧は、直前のペン状態 (UP/DOWN)と現在のペンの種類で描かれます。
円弧は現在のウィンドウ内にのみ描きますが、中心座標は作図範囲内である必要はありません。

ペン移動命令(絶対座標) PA


3点絶対円弧命令(AT)

指定する絶対座標を中心とし、現在のペン位置が始点となり、中間点、終点を通って円弧を描画します。


JIS AT <X中間座標 (sd)>,<Y中間座標 (sd)>,<X終点座標 (sd)>,<Y終点座標 (sd)>,<中心角 (sd)>,
《分解能(sd)》;

16進数 41h 54h <X中間座標 (sd)> 2Ch <Y中間座標 (sd)> 2Ch <X終点座標 (sd)> 2Ch <Y終点座標 (sd)>
2Ch <中心角 (sd)> 《2Ch分解能 (sd)》 3Bh

<X中間座標 (sd)><Y中間座標 (sd)>
円弧の中間点を絶対座標で指定します。

<X終点座標 (sd)><Y終点座標 (sd)>
円弧の終点を絶対座標で指定します。

《分解能 (sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値: 5度(角度モード)


開始プロット命令(BP)

作図データにヘッダーを挿入して、プロットする開始位置を示します。


JIS BP《種類(i),値(sd)》;

16進数 42h 50h《種類(i)2Ch値(sd)》3Bh

《種類(i)》

種類 対応する値のパラメータと、その設定内容
2 《枚数(sd)》
リプロット命令を設定している場合、本命令によってリプロットする枚数を追加します。
(省略値: 1)
3 《リプロットの有効/無効指定(sd)》
'0'を指定すると、プロット処理が保持され、リプロットが可能となります。
'1'を指定すると、プロット処理は保持されず、リプロットが無効となります。
(省略値: 0)
4 《最終プロット(sd)》
'0'を指定すると、最終プロットを描画します。
'1'を指定すると、最終プロットを描画しません。
(省略値: 0)
5 《自動回転(sd)》
'0'を指定すると、自動回転を行います。
'1'を指定すると、自動回転を行いません。また、メニューのレイアウトグループの「座標回転」の設定が無効になります。
'2'を指定すると、自動回転を行いません。また、メニューのレイアウトグループの「座標回転」の設定が無効になります。また、X座標軸はPSコマンドの設定にかかわらず、用紙搬送方向の向きに設定されます。
(省略値: 0)

枚数の指定は、共通メニューの「コピー部数」によって影響されません。

リプロット命令 RP


相対座標ベジェ曲線命令(BR)

指定する相対座標を中心として、ベジェ曲線を描画します。


JIS BR<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>……《,第1X座標(sd)》《,第1Y座標(sd)》《,第2X座標(sd)》《,第2Y座標(sd)》《,第3X座標(sd)》《,第3Y座標(sd)》;

16進数 42h 52h<第1X座標(sd)>2Ch<第1Y座標(sd)>2Ch<第2X座標(sd)>2Ch<第2Y座標(sd)>2Ch<第3X座標(sd)>2Ch<第3Y座標(sd)>……《2Ch第1X座標(sd)》《2Ch第1Y座標(sd)》《2Ch第2X座標(sd)》《2Ch第2Y座標(sd)》《2Ch第3X座標(sd)》《2Ch第3Y座標(sd)》3Bh

<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>
現在のペン位置を基準に、3点の座標位置を指定します。第1曲線を描画する第1、2、3の座標点を指定すると、続く3点の座標点は第1曲線における第3の座標点を基準に指定されます。

多角形定義モード設定命令 PM


絶対座標ベジェ曲線命令(BZ)

指定する絶対座標を中心として、ベジェ曲線を描画します。


JIS BZ<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>……《,第1X座標(sd)》《,第1Y座標(sd)》《,第2X座標(sd)》《,第2Y座標(sd)》《,第3X座標(sd)》《,第3Y座標(sd)》;

16進数 42h 5Ah<第1X座標(sd)>2Ch<第1Y座標(sd)>2Ch<第2X座標(sd)>2Ch<第2Y座標(sd)>2Ch<第3X座標(sd)>2Ch<第3Y座標(sd)>……《2Ch第1X座標(sd)》《2Ch第1Y座標(sd)》《2Ch第2X座標(sd)》《2Ch第2Y座標(sd)》《2Ch第3X座標(sd)》《2Ch第3Y座標(sd)》3Bh

<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>
絶対座標を基準に、3点の座標位置を指定します。第1曲線を描画する第1、2、3の座標点を指定すると、続く3点の座標点は第1曲線における第3の座標点を基準に指定されます。

多角形定義モード設定命令 PM


円プロット命令(CI)

現在のペン位置を中心として、指定の半径の円を描きます。


JIS CI<半径(sd)>《,分解能(sd)》;

16進数 43h 49h<半径(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh


<半径(sd)>
円の半径を指定します。円プロットの開始点は、半径が正の値のときは現在のペン位置から見て0度、負の値のときは180度の位置になります。
半径は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットで指定します。

《分解能(sd)》
円の滑らかさを指定します。円は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。

省略値: 5度(角度モード)

分解能の指定によって、正方形、正五角形、正六角形などを描画することも可能です。
本命令で円を描いた場合、現在のペン位置およびペン状態(UP/DOWN)は本命令実行前の状態に戻ります。

ペン移動命令(絶対座標) PA


注釈入力命令(CO)

HP-GL/2命令の中にコメント(注釈)を挿入します。注釈の文字列はダブルクォーテーション(" ")で囲みます。


JIS CO《"文字列データ(ASC)"》;

16進数 43h 4fh《22h文字列データ(ASC)22h》3Bh

挿入される文字列はコマンドとして処理されないので、コマンドに関するメモを残しておく際に使用します。


ペン移動命令(文字数単位)(CP)

指定した文字数および行数だけペン位置を移動します。


JIS CP《横方向文字数(sd)》《,縦方向行数(sd)》;

16進数 43h 50h《横方向文字数(sd)》《2Ch縦方向行数(sd)》3Bh

《横方向文字数(sd)》《縦方向行数(sd)》
ペンを移動する文字数(横方向)および行数(縦方向)を指定します。
負の値を指定すると、文字プロット方向に対して1文字後退(横方向)または逆改行(縦方向)を行います。
パラメータを省略し、CP命令だけを送ると、 CR および LF (復帰改行)動作を行います。

本命令によるペン位置の移動は、文字プロットの方向にしたがいます。
本命令は、ペン状態(UP/DOWN)は変化しません。


相対座標色範囲命令(CR)

RGB(赤、緑、青)データの色範囲を指定します。


JIS CR《黒参照の赤(sd)》《,白参照の赤(sd)》《,黒参照の緑(sd)》《,白参照の緑(sd)》《,黒参照の青(sd)》《,白参照の青(sd)》;

16進数 43h52h《黒参照の赤(sd)》《2Ch白参照の赤(sd)》《2Ch黒参照の緑(sd)》《2Ch白参照の緑(sd)》《2Ch黒参照の青(sd)》《2Ch白参照の青(sd)》3Bh

RGB値の範囲を指定します。RGBのパラメータは、それぞれ黒および白の値を参照します。

省略値: 0(黒参照)、255(白参照)

IN命令によって、本命令は省略値に戻ります。


分解能モード指定命令(CT)

円、円弧、扇形などをプロットするときに設定する分解能のパラメータのモードを指定します。


JIS CT《モード(i)》;

16進数 43h 54h《モード(i)》3Bh

《モード(i)》
分解能モードを指定します。

設定内容
0 角度モード
1 偏倚距離モード

省略値: 0

角度モードでは、プロット開始の角度(円の場合は0または180度、円弧は指定座標によって決まる角度、扇形は指定の開始角度)から終了角度までの中心角を指定の分解能(角度)で分割します。有効な角度の指定範囲は、0度から180度になります。偏倚距離モードでは、円弧上の2点を通る直線と円弧の間の最長垂線距離を指定し、弦の分割数が決定します。



標準値状態設定命令(DF)

設定パラメータを初期状態に戻します。


JIS DF;

16進数 44h 46h 3Bh

次の設定は、本命令では初期化されません。
  • スケーリングポイントP1、P2の位置
  • 現在のペン位置とペンの種類
  • 座標系の回転(90度)

初期状態


絶対値による文字方向設定命令(DI)

文字をプロットする方向(角度)を指定します。


JIS DI《run値(sd)》《,rise値(sd)》;

16進数 44h 49h《run値(sd)》《2Ch rise値(sd)》3Bh


《run値(sd)》《rise値(sd)》
run値およびrise値は、上図のように文字プロットの方向の送り量に対する垂直移動量を設定し、文字列プロットの角度(θ=tan-1(rise/run))を指定します。
run値およびrise値の値の符号とプロット方向は次のようになります。

run値 rise値 文字プロットの方向
0 0
正の値 0 水平方向(0度)
正の値 正の値 0度 <文字方向 <90度
0 正の値 垂直方向(90度)
負の値 正の値 90度 <文字方向 <180度
負の値 0 水平方向(180度)
負の値 負の値 180度 <文字方向 <270度
0 負の値 垂直方向(270度)
正の値 負の値 270度 <文字方向 <360度

パラメータを省略すると、水平方向(DI 1,0;)に文字がプロットされます。

本命令による文字プロットの方向は、スケーリングポイントP1、P2による絶対方向には影響されません。
本命令では、現在のペン位置がキャリッジリターン位置となります。


ダウンロードキャラクタ定義命令(DL)

ユーザ独自の文字を作成し、ダウンロードキャラクタバッファに登録して繰り返し使用することができます。


JIS DL《文字番号(i)《,コントロール値(i)》,X座標値(i),Y座標値(i),……《,コントロール値(i)》,…… 》;

16進数 44h 4Ch《文字番号(i)《2Ch コントロール値(i)》2Ch X座標値(i)2Ch Y座標値(i)2Ch …… 2Ch《コントロール値(i)》2Ch …… 》3Bh

《文字番号(i)》
ダウンロード文字の番号を指定します。

範囲: 33~126

《コントロール値(i)》
次に指定するX,Y座標値に移動するときにペンを上げます。

指定値: -128

《X座標値(i)》《Y座標値(i)》
文字グリッド上のX,Y座標値を指定します。

範囲: -127~127

パラメータを省略すると、ダウンロードキャラクタバッファをすべてクリアします。また、文字番号のみ指定した場合は、その文字のみバッファからクリアします。
ペンコントロール値とX,Y座標値は、合計255個まで指定できます。
本命令で定義される文字は、文字セット番号が「-1」となります。

ダウンロード文字の定義のしかたは、NCPセルに対する絶対グリッドによる指定になります。


相対値による文字方向設定命令(DR)

文字スケーリングポイントP1、P2の設定にしたがって文字をプロットする方向(角度)を指定します。


JIS DR《run値(sd)》《,rise値(sd)》;

16進数 44h 52h《run値(sd)》《2Ch rise値(sd)》3Bh


《run値(sd)》《rise値(sd)》
run値およびrise値は、上図のように文字プロットの方向の送り量に対する垂直移動量を設定し、文字列プロットの角度(θ=tan-1(rise/run))を指定します。
run値はスケーリングポイント(P2x-P1x)の現在のパーセント値で指定し、rise値は(P2y-P1y)の現在のパーセント値で指定します。
パラメータを省略すると、水平方向(DR 1,0;)に文字がプロットされます。

本命令による文字プロットの方向は、スケーリングポイントP1、P2によって変化します。


文字列ターミネータ指定命令(DT)

LB命令、BL命令、WD命令でプロットする文字列の最後に送る文字プロットモードを解除するターミネータの文字キャラクタを指定します。


JIS DT<文字(ASC)>;

16進数 44h 54h<文字(ASC)>3Bh

<文字(ASC)>
ターミネータとする文字キャラクタを指定します。
ただし、ハンドシェークモードの設定によって、本エミュレーションモードに文字キャラクタが転送されない場合や、パラメータを省略した場合は、次に指定したコードをターミネータとします。

制御コードを指定した場合は、その文字は印字されませんが機能は実行されます。また、ASCII文字を指定した場合は、文字列の最後にその文字が印字されます。


文字プロットパス命令(DV)

文字プロットおよび改行を行うときの方向を指定します。


JIS DV《パス(i)》《,行(i)》;

16進数 44h 56h《パス(i)》《2Ch行(i)》3Bh

《パス(i)》
DIまたはDR命令で指定された文字プロット方向を中心とし、文字プロットする方向を指定します。

設定
0 0°。次に続くスペルは、右側に配置されます(RIGHT)。
1 -90°。次に続くスペルは、下側に配置されます(DOWN)。
2 -180°。次に続くスペルは、左側に配置されます(LEFT)。
3 -270°。次に続くスペルは、上側に配置されます(UP)。


《行》
DIまたはDR命令で指定された文字プロット方向を中心とし、改行する方向を指定します。

設定
0 -90°。通常の方向に改行します。
1 +90°。通常とは逆の方向に改行します。



絶対座標長方形プロット命令(EA)

現在のペン位置と指定する絶対座標を対角線上の2点とする四角形を描きます。


JIS EA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;

16進数 45h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>3Bh


<X座標(sd)><Y座標(sd)>
現在のペン位置に対して、長方形の対角線上の角となる座標を指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。

本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、「線の種類選択命令LT」で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

絶対座標長方形塗りつぶし命令 RA


相対座標長方形プロット命令(ER)

現在のペン位置からの相対的な位置を指定し、その位置と現在のペン位置を対角線上の2点とする四角形を描きます。


JIS ER<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;

16進数 45h 52h<X増分(sd)>2Ch<Y増分(sd)>3Bh


<X増分(sd)><Y増分(sd)>
長方形の対角線上の角となる位置を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。

本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、「線の種類選択命令LT」で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

相対座標長方形塗りつぶし命令 RR


NCPセル間隔設定命令(ES)

文字間隔や行間隔を設定します。


JIS ES《文字間隔(sd)《,行間隔(sd)》》;

16進数 45h 53h《文字間隔(sd)《2Ch 行間隔(sd)》》3Bh

《文字間隔(sd)》
文字間隔を設定します。
単位: NCPセルの幅
省略値: 0

正の値を指定すると、文字間隔が広がり、負の値を指定すると狭くなります。

《行間隔(sd)》
行間隔を設定します。

単位: NCPセルの高さ
省略値: 0

正の値を指定すると、行間が離れ、負の値を指定すると狭くなります。

NCP(Normal Character Plot)セルは、1文字分の長方形状の領域です。


扇形プロット命令(EW)

現在のペン位置を中心とし、指定された半径と角度の扇形を描きます。


JIS EW<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;

16進数 45h 57h<半径(sd)>2Ch<始点角(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh


<半径(sd)>
扇形の半径を指定します。
正の値を指定すると中心点から右方向の水平位置が基準点(0度)となり、負の値を指定すると左方向の水平位置が基準点(180度)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。

<始点角(sd)>
扇形の始点となる角度を指定します。正の値を指定すると半径の符号で決まる基準点から反時計方向、負の値を指定すると時計方向になります。

<中心角(sd)>
扇形の中心角を指定します。正の値を指定すると円周上の始点角の位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。

《分解能(sd)》
扇形の滑らかさを指定します。扇形は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。
この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値: 5度(角度モード)

本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。 本命令の実行時は、「線の種類選択命令LT」で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

扇形の塗りつぶし→ 扇形塗りつぶし命令 WG


多角形塗りつぶし命令(FP)

ポリゴンバッファに定義されている多角形の内部を塗りつぶします。


JIS FP;

16進数 46h 50h 3Bh

次の命令で定義された多角形に対して塗りつぶしが行われます。
  • 多角形定義モード設定命令PM
  • 絶対座標長方形塗りつぶし命令RA
  • 相対座標長方形塗りつぶし命令RR
  • 扇形塗りつぶし命令WG
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

多角形定義モード設定命令 PM


塗りつぶし選択命令(FT)

指定された図形を塗りつぶすときの塗りつぶし方法を選択します。


JIS FT《種類(i)《,間隔(sd)《,角度(sd)》》》;

16進数 46h 54h《種類(i)《2Ch 間隔(sd)《2Ch 角度(sd)》》》3Bh

《種類(i)》
領域の塗りつぶし方法を選択します。

設定内容
1 双方向塗りつぶし
2 単方向塗りつぶし
3 ハッチング
4 クロスハッチング
10 双方向ユーザ指定タイプ
11 単方向ユーザ指定タイプ

省略値: 1

《間隔(sd)》
ハッチングおよびクロスハッチングの平行線の間隔を指定します。
間隔を指定する座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。
省略値: スケーリングポイントP1、P2の対角の距離の1%

ただし、間隔0のときはPT命令によるペンの太さになります。

《角度(i)》
塗りつぶしを行う線の角度を指定します。
指定範囲: 水平線から反時計方向の角度
省略値: 0度

0度では水平線、90度では垂直線となります。
双方向/単方向塗りつぶしでは無効になります。

「種類」で双方向塗りつぶし「1」を選択した場合、「線の種類選択命令LT」で直線以外の線種が設定されているときは単方向塗りつぶし「2」になります。


初期値設定命令(IN)

本エミュレーションモードの設定を、電源をオンにしたときの状態に戻します。


JIS IN;

16進数 49h 4Eh 3Bh

本命令を実行すると、設定されているパラメータが初期化されて初期値に戻るとともに、次の状態に設定されます。
  • スケーリングポイントP1、P2の位置は初期状態の位置に戻ります。
  • ペンを上げます。
  • すべてのHP-GL/2エラーがクリアされます。
  • 座標の回転状態は0°になります。


P1とP2入力命令(IP)

スケーリングポイントP1、P2を設定します。


JIS IP《P1のX座標(i),P1のY座標(i)》《,P2のX座標(i),P2のY座標(i)》;

16進数 49h 50h《P1のX座標(i)2Ch P1のY座標(i)》《2Ch P2のX座標(i)2Ch P2のY座標(i)》3Bh

《P1のX座標(i)》《P1のY座標(i)》
スケーリングポイントP1の位置をプロッタユニットの絶対座標で指定します。

《P2のX座標(i)》《P2のY座標(i)》
スケーリングポイントP2の位置をプロッタユニットの絶対座標で指定します。

P2の指定を省略し、P1だけを指定した場合、P2はP1と同じ増分で元の位置から移動します。したがって、P1、P2間のX/Y方向の距離は、本命令の実行前と同じになります。

P1およびP2は、作図データの用紙サイズの最大座標範囲に関係なく設定できます。
なお、P1およびP2のパラメータを省略すると、P1、P2の位置は現在の用紙サイズの初期状態の位置に戻ります。
本命令による設定が有効な場合、ステータスバイトのビット1を設定します。


相対座標P1P2入力命令(IR)

ハードクリップ領域を中心とし、スケーリングポイントP1、P2を設定します。


JIS IR《P1のX座標(sd),P1のY座標(sd)》《,P2のX座標(sd),P2のY座標(sd)》;

16進数 49h 52h《P1のX座標(sd),P1のY座標(sd)》《,P2のX座標(sd),P2のY座標(sd)》3Bh

《P1のX座標(sd)》《P1のY座標(sd)》
スケーリングポイントP1の位置をハードクリップ領域の比率で指定します。

《P2のX座標(sd)》《P2のY座標(sd)》
スケーリングポイントP2の位置をハードクリップ領域のパーセント値で指定します。
P2の指定を省略し、P1だけを指定した場合、P2はP1と同じ増分で元の位置から移動します。したがって、P1、P2間のX/Y方向の距離は、本命令の実行前と同じになります。
P1およびP2は、作図データの用紙サイズの最大座標範囲に関係なく設定できます。
なお、P1およびP2のパラメータを省略すると、P1、P2の位置は現在の用紙サイズの初期状態の位置に戻ります。
本命令による設定が有効な場合、ステータスバイトのビット1を設定します。

相対値による文字方向設定命令 DR
塗りつぶし選択命令 FT
線の種類選択命令 LT
ペン幅命令 PW
文字サイズ指定命令(相対値) SR
ペン幅の単位選択命令 WU


ウィンドウ設定命令(IW)

作図範囲の中でペンを移動できる特定の領域を指定します。この領域を「ウィンドウ」といいます。


JIS IW《左下のX座標(i),左下のY座標(i),右上のX座標(i),右上のY座標(i)》;

16進数 49h 57h 《左下のX座標(i)2Ch 左下のY座標(i)2Ch 右上のX座標(i)2Ch 右上のY座標(i)》 3Bh

《左下のX座標(i),左下のY座標(i)》
ウィンドウの左下端をプロッタユニットの絶対座標で指定します。

《右上のX座標(i),右上のY座標(i)》
ウィンドウの右上端をプロッタユニットの絶対座標で指定します。

それぞれの座標は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットで指定します。
パラメータを省略するとウィンドウ範囲は、現在のクリップモードの位置になります。


線の属性指定命令(LA)

線の端の形を指定します。


JIS LA《種類(i = 1)》《,値(i)》《,種類(i = 2)》《,値(i)》《,種類(i = 3)》《,値(sd)》;

16進数 4Ch 41h《種類(i = 1)》《2Ch値(i)》《2Ch種類(i = 2)》《2Ch値(i)》《2Ch種類(i = 3)》《2Ch値(sd)》3Bh

《種類(i)》
線の種類を指定します。

種類 対応するパラメータ
1
2 結び
3 留め

《値(i)》
それぞれの線の属性を指定します。
設定内容
1 Butt(切れ端)
2 正方形
3 三角形
4 円形

省略値: 1

  • 結び
設定内容
1 留め継ぎ
2 留め継ぎ/斜角
3 三角形
4 円形
5 斜角
6 設定しない

省略値: 1

《値(sd)》
留め
省略値: 5

線の太さが0.35 mm以下の場合、設定にかかわらず線の端は円形になります。


文字プロット命令(LB)

現在選択されている文字セットを使用して、文字のプロットとラベルバッファへの登録を行います。


JIS LB《文字列データ(ASC)》 ETX

16進数 4Ch 42h《文字列データ(ASC)》03h

《文字列データ(ASC)》
プロットする文字を指定します。
文字列には、印刷可能なすべての文字、 CRLF 、などの制御コードなどを指定できます。本命令によって漢字を印字することもできます。
パラメータの指定を省略すると、ラベルバッファがクリアされます。

文字のプロットは、文字列の最後のターミネータ(初期状態で ETX (03h))によってのみ終了します。
文字プロット後のペン位置は、次にプロットする文字の基準位置に移動します。
文字の方向、大きさ、傾きは、次の命令で指定できます。


上図のそれぞれの文字のマスを「NCP(Normal Character Plot)セル」といいます。
文字プロットのターミネータ ETX は、「文字列ターミネータ指定命令DT」によって変更することができます。

文字列ターミネータ指定命令 DT


文字プロットモード命令(LM)

LBおよびSM命令と共に使用し、1バイトまたは2バイトモードで文字プロットするかどうかを選択します。


JIS LM<モード(i)>,<行数(i)>;

16進数 4Ch 4Dh<モード(i)>2Ch<行数(i)>3Bh

<モード(i)>
処理モードを指定します。

設定内容
0 1バイト(8ビット)モードで処理します。
1 2バイト(16ビット)モードで処理します。

省略値: 0(8ビット)

<行数(i)>
2バイトの文字セットが選択されている状態で、モードを'0'に設定した場合にのみ使用します。この行数は、2バイトのうち1バイト目を示します。
LM命令でモードを切り替えた場合、SM命令は終了します。DTは1バイトでの終了定義のみ許可します。2バイトモードで文字プロットを解除するには、文字プロットのターミネータの前にnull文字(10進数の'0')を付けてください。
省略値: 0


文字プロット位置指定命令(LO)

プロットする文字の基準位置を指定します。


JIS LO 《基準位置(i)》 ETX

16進数 4Ch 4Fh《基準位置(i)》03h

《基準位置(i)》
プロットする文字の基準となる現在ペン位置を指定します。

設定内容 設定内容
1
文字列の左下
11
文字列の左下+オフセット量
2
文字列の左中央
12
文字列の左中央+オフセット量
3
文字列の左上
13
文字列の左上+オフセット量
4
文字列の中央下
14
文字列の中央下+オフセット量
5
文字列の中心
15
文字列の中心+オフセット量
6
文字列の中央上
16
文字列の中央上+オフセット量
7
文字列の右下
17
文字列の右下+オフセット量
8
文字列の右中央
18
文字列の右中央+オフセット量
9
文字列の右上
19
文字列の右上+オフセット量

パラメータの値11~19の基準位置は、「文字サイズ指定命令(絶対値)SI」または「文字サイズ指定命令(相対値)SR」で設定された文字幅の1/2、文字高の1/2のオフセット量が付加されます。なお、可変文字の場合は、横方向は文字幅の平均値の1/2、縦方向は文字高の1/2になります。

文字サイズ指定命令(絶対値) SI
文字サイズ指定命令(相対値) SR


線の種類選択命令(LT)

プロット命令で使用する線の種類を指定します。


JIS LT《パターン番号(i)《,パターン長(sd)》》;

16進数 4Ch 54h《パターン番号(i)《2Ch パターン長(sd)》》3Bh

《パターン番号(i)》
点線や破線のパターンを指定します。

省略値: 実線

《パターン長(sd)》
上表のパターン長をスケーリングポイントP1、P2間の対角線上の距離のパーセント値で指定します。
省略値: 4%


合成色制御命令(MC)

複数のグラフィックスを重ね合わせたときの色を設定します。


JIS MC《モード(i)》《,オプションコード(i)》;

16進数 4Dh 43h《モード(i)》《2Chオプションコード(i)》3Bh

《モード(i)》

設定内容
0 合成しないで、元画像の色に置き換えられます。
1 重なる部分の色を合成します。

省略値: 0

《オプションコード(i)》
論理演算式によって定義された、RGB色空間を設定します。(D:「Destination(出力先の元画像)」、S:「Source(新しく書き込む画像)」、T:「Texture(テクスチャ)」、a:「AND(論理積)」、n:「NOT(論理否定)」、o:「OR(論理和)」、x:「XOR(排他)」)

ブール関数 ブール関数
0 0 19 SDTaon
1 DTSoon 20 DTSxnon
2 DTSona 21 DTSaon
3 TSon 22 TSDTSanaxx
4 SDTona 23 SSTxDSxaxn
5 DTon 24 STxTDxa
6 TDSxnon 25 SDTSanaxn
7 TDSaon 26 TDSTaox
8 SDTnaa 27 SDTSxaxn
9 TDSxon 28 TSDTaox
10 DTna 29 DSTDxaxn
11 TSDnaon 30 TDSox
12 STna 31 TDSoan
13 TDSnaon 32 DTSnaa
14 TDSonon 33 SDTxon
15 Tn 34 DSna
16 TDSona 35 STDnaon
17 DSon 36 STxDSxa
18 SDTxnon 37 TDSTanaxn
38 SDTSaox 75 TDSnox
39 SDTSxnox 76 SDTana
40 DTSxa 77 SSTxDSxoxn
41 TSDTSaoxxn 78 TDSTxox
42 DTSana 79 TDSnoan
43 SSTxTDxaxn 80 TDna
44 STDSoax 81 DSTnaon
45 TSDnox 82 DTSDaox
46 TSDTxox 83 STDSxaxn
47 TSDnoan 84 DTSonon
48 TSna 85 Dn
49 SDTnaon 86 DTSox
50 SDTSoox 87 DTSoan
51 Sn 88 TDSToax
52 STDSaox 89 DTSnox
53 STDSxnox 90 DTx
54 SDTox 91 DTSDonox
55 SDToan 92 DTSDxox
56 TSDToax 93 DTSnoan
57 STDnox 94 DTSDnaox
58 STDSxox 95 DTan
59 STDnoan 96 TDSxa
60 TSx 97 DSTDSaoxxn
61 STDSonox 98 DSTDoax
62 STDSnaox 99 SDTnox
63 TSan 100 SDTSoax
64 TSDnaa 101 DSTnox
65 DTSxon 102 DSx
66 SDxTDxa 103 SDTSonox
67 STDSanaxn 104 DSTDSonoxxn
68 SDna 105 TDSxxn
69 DTSnaon 106 DTSax
70 DSTDaox 107 TSDTSoaxxn
71 TSDTxaxn 108 SDTax
72 SDTxa 109 TDSTDoaxxn
73 TDSTDaoxxn 110 SDTSnoax
74 DTSDoax 111 TDSxnan
112 TDSana 149 DTSaxn
113 SSDxTDxaxn 150 DTSxx
114 SDTSxox 151 TSDTSonoxx
115 SDTnoan 152 SDTSonoxn
116 DSTDxox 153 DSxn
117 DSTnoan 154 DTSnax
118 SDTSnaox 155 SDTSoaxn
119 DSan 156 STDnax
120 TDSax 157 DSTDoaxn
121 DSTDSoaxxn 158 DSTDSaoxx
122 DTSDnoax 159 TDSxan
123 SDTxnan 160 DTa
124 STDSnoax 161 TDSTnaoxn
125 DTSxnan 162 DTSnoa
126 STxDSxo 163 DTSDxoxn
127 DTSaan 164 TDSTonoxn
128 DTSaa 165 TDxn
129 STxDSxon 166 DSTnax
130 DTSxna 167 TDSToaxn
131 STDSnoaxn 168 DTSoa
132 SDTxna 169 DTSoxn
133 TDSTnoaxn 170 D
134 DSTDSoaxx 171 DTSono
135 TDSaxn 172 STDSxax
136 DSa 173 DTSDaoxn
137 SDTSnaoxn 174 DSTnao
138 DSTnoa 175 DTno
139 DSTDxoxn 176 TDSnoa
140 SDTnoa 177 TDSTxoxn
141 SDTSxoxn 178 SSTxDSxox
142 SSDxTDxax 179 SDTanan
143 TDSanan 180 TSDnax
144 TDSxna 181 DTSDoaxn
145 SDTSnoaxn 182 DTSDTaoxx
146 DTSDToaxx 183 SDTxan
147 STDaxn 184 TSDTxax
148 TSDTSoaxx 185 DSTDaoxn
186 DTSnao 221 SDno
187 DSno 222 SDTxo
188 STDSanax 223 SDTano
189 SDxTDxan 224 TDSoa
190 DTSxo 225 TDSoxn
191 DTSano 226 DSTDxax
192 TSa 227 TSDTaoxn
193 STDSnaoxn 228 SDTSxax
194 STDSonoxn 229 TDSTaoxn
195 TSxn 230 SDTSanax
196 STDnoa 231 STxTDxan
197 STDSxoxn 232 SSTxDSxax
198 SDTnax 233 DSTDSanaxxn
199 TSDToaxn 234 DTSao
200 SDToa 235 DTSxno
201 STDoxn 236 SDTao
202 DTSDxax 237 SDTxno
203 STDSaoxn 238 DSo
204 S 239 SDTnoo
205 SDTono 240 T
206 SDTnao 241 TDSono
207 STno 242 TDSnao
208 TSDnoa 243 TSno
209 TSDTxoxn 244 TSDnao
210 TDSnax 245 TDno
211 STDSoaxn 246 TDSxo
212 SSTxTDxax 247 TDSano
213 DTSanan 248 TDSao
214 TSDTSaoxx 249 TDSxno
215 DTSxan 250 DTo
216 TDSTxax 251 DTSnoo
217 SDTSaoxn 252 TSo
218 DTSDanax 253 TSDnoo
219 STxDSxan 254 DTSoo
220 STDnao 255 1
* 各演算式は逆ポーランド方式になります。

省略値: 252(モード:0)、168(モード:1)


ペン数量命令(NP)

パレットの大きさ(ペンの数量)を設定します。


JIS NP《n(i)》;

16進数 4Eh 50h《n(i)》3Bh

パレット内のペンの数量を指定します。ここでは、2をn乗した数の種類が設定されます。
たとえば、パラメータnに3を入力すると、パレットには8種類のペンが設定されます。

ペンの色指定命令 PC


ペン移動命令(絶対座標)(PA)

指定された絶対座標にペンを移動します。ペンを下げていれば線が描かれ、ペンが上げていれば移動のみとなります。


JIS PA《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),……,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;

16進数 50h 41h《X1座標(i/sd)2Ch Y1座標(i/sd)》《2Ch X2座標(i/sd)2Ch Y2座標(i/sd)2Ch …… 2Ch Xn座標(i/sd)2Ch Yn座標(i/sd)》3Bh

《X座標(i/sd)》《Y座標(i/sd)》
移動する座標点を指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。
パラメータを省略した場合は、本命令に続くパラメータを持つペン下げ命令PDおよびペン上げ命令PUに対して絶対座標プロットモードを設定します。

本命令は、ペン下げ命令PDおよびペン上げ命令PUと組み合わせて次のように使用することができます。
PA(,)PD(,)X1,Y1(,)PU(,)X2,Y2(,); ( )内のカンマは省略可能

なお、ウィンドウ内でのみプロットは可能です。

ペン下げ命令 PD
ペン上げ命令 PU


ペンの色指定命令(PC)

パレット内のペンに対応する色を設定します。


JIS PC《ペン(i)《,R(sd),G(sd),B(sd)》》;

16進数 50h 43h《ペン(i)《2Ch R(sd)2Ch G(sd)2Ch B(sd)》》3Bh

《ペン(i)》
NP命令で設定したペンの数量の範囲で、ペンの種類を指定します。

《RGB(sd)》
それぞれのペンに対して、色を指定します。
色の指定は、CR命令で設定したRGB値の範囲で行います。

色の指定を省略したときの設定は、以下のとおりです。

パレット内のペンの数量 ペンの種類
2 0
1
4 0
1
2
3
8 0
1
2
3
4
5
6 マゼンタ
7 シアン

相対座標色範囲命令 CR
ペン数量命令 NP


ペン下げ命令(PD)

現在位置でペンを下げます。座標を指定した場合は、座標点まで作図を行います。


JIS PD《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),……,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;

16進数 50h 44h《X1座標(i/sd)2Ch Y1座標(i/sd)》《2Ch X2座標(i/sd)2Ch Y2座標(i/sd)2Ch …… 2Ch Xn座標(i/sd)2Ch Yn座標(i/sd)》3Bh

《X座標(i/sd)》《Y座標(i/sd)》
ペンを下げ、現在地から線をプロットする座標点を指定します。
座標値は、本命令の前に絶対座標プロット命令PAが実行されていれば、絶対座標となり、相対座標プロット命令PRが実行されていれば、相対座標(X、Y方向の増分指定)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。
パラメータを省略した場合は、座標の移動は行われずにペンが下がります。

ペン位置がウィンドウの外にある場合や、破線のペン上げ部分の場合、ペンは下がりません。
本命令は、「多角形定義モード設定命令PM」によってポリゴンバッファに登録するときも有効です。

ペン移動命令(絶対座標) PA
ペン移動命令(相対座標) PR


ポリライン暗号化命令(PE)

PA、PR、PU、PD、SP命令を暗号化します。コマンドを短縮できるので、ファイルのサイズを縮小したり、データ転送にかかる時間を短縮したりすることができます。


JIS PE《フラグ(ASC)》《,値(i)《,X座標(i),Y座標(i)》》……《,フラグ(ASC)》《,値(i)《,X座標(i),Y座標(i)》》<; >

16進数 50h 45h《フラグ(ASC)》《2Ch値(i)《2Ch X座標(i)2Ch Y座標(i)》》……《2Chフラグ(ASC)》《2Ch値(i)《2Ch X座標(i)2Ch Y座標(i)》》<3Bh>

《フラグ(ASC)》
フラグパラメータに続く値の処理方法を指定します。フラグのデータ型はASCII文字になります。
フラグの8ビット目は無視されます。
本命令の実行後、文字プロットの状態は実行前の状態に戻ります。

設定内容
: 暗号化したいペンの種類を選択します*
< ペンを上げます。
> 座標データに含まれるバイナリビットの数を指定します。
= 絶対座標にしたがって処理します。
7 座標の値を7ビットモードで処理します。
* 指定されない場合は、現在選択されているペンを使用します。

《値(i)》
フラグパラメータで指定した処理方法にしたがって、データを設定します。フラグパラメータで':' を選択した場合に、暗号化したいペンの種類を選択します。暗号化は32ビットまたは64ビット方式で行います。フラグパラメータで'>' を選択した場合に、座標データに含まれるバイナリビットの数を指定します。

《X座標値(i)》《Y座標値(i)》
X,Y座標値を指定します。


印刷開始命令(PG)

ページバッファ内の作図データを印刷します。


JIS PG;

16進数 50h 47h 3Bh

パラメータを指定しても無効になります。
HP Designjet 800では、同一用紙に上書きしないように1ページ用紙を送る命令ですが、本エミュレーションモードでは印刷開始命令となります。


多角形定義モード設定命令(PM)

多角形を定義します。


JIS PM<モード(i)>;

16進数 50h 4Dh<モード(i)>3Bh

<モード(i)>
多角形定義モードを指定します。

設定内容
0
ポリゴンバッファをクリアし、多角形定義モードを設定します。
1
現在定義されているポリゴンバッファをクローズします.
2
現在定義されているポリゴンバッファをクローズし、多角形定義モードを解除します。

次の命令を使用して、多角形の定義を行えます。
  • 多角形定義モード設定命令PM
  • ペン移動命令(絶対座標)/(相対座標)PA/PR
  • ペン上げ/ペン下げ命令PU/PD
  • 絶対座標/相対座標円弧プロット命令AA/AR
  • 円プロット命令CI
  • 分解能モード指定命令CT

上記のほか、「初期値設定命令IN」とプロッタに出力を要求する命令も有効です。
ポリゴンバッファは、「多角形定義モード設定命令PM」だけでなく、次の命令でも使用されます。
  • 絶対座標/相対座標長方形塗りつぶし命令RA/RR
  • 絶対座標/相対座標長方形プロット命令EA/ER
  • 扇形塗りつぶし命令WG
  • 扇形プロット命令EW

次の命令は無視されます。
  • 文字プロット命令LB
  • シンボルモード指定命令SM


画素配置命令(PP)

多角形の塗りつぶしを行うときの、画素の配置方法を指定します。


JIS PP《モード(i)》;

16進数 50h 50h《モード(i)》3Bh

《モード(i)》

設定内容
0
グリッドの交点の中央に、画素を配置します。
1
グリッドの交点によって生成されたボックス内に、画素を配置します。



ペン移動命令(相対座標)(PR)

現在のペン位置を基準に指定された相対座標にペンを移動します。ペンを下げていれば線が描かれ、ペンが上がっていれば移動のみとなります。


JIS PR《X1増分(i/sd),Y1増分(i/sd)》《,X2増分(i/sd),Y2増分(i/sd),……,Xn増分(i/sd),Yn増分(i/sd)》;

16進数 50h 52h《X1増分(i/sd)2Ch Y1増分(i/sd)》《2Ch X2増分(i/sd)2Ch Y2増分(i/sd)2Ch …… 2Ch Xn増分(i/sd)2Ch Yn増分(i/sd)》3Bh

《X増分(i/sd)》《Y増分(i/sd)》
移動先を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。
パラメータを省略した場合は、本命令に続くパラメータを持つペン下げ命令PDおよびペン上げ命令PUに対して相対座標プロットモードを設定します。

本命令は、ペン下げ命令PDおよびペン上げ命令PUと組み合わせて次のように使用することができます。
PR(,)PD(,)X1,Y1(,)PU(,)X2,Y2(,); ( )内のカンマは省略可能

なお、ウィンドウ内でのみプロットは可能です。

ペン下げ命令 PD
ペン上げ命令 PU


プロットサイズ設定命令(PS)

ハードクリップ領域(作図範囲)を指定します。


JIS PS《高さ(i)》《,幅(i)》;

16進数 50h 53h《高さ(i)》《2Ch 幅(i)》3Bh

《高さ(i)》
ハードクリップ領域の高さを指定します。
《幅(i)》
ハードクリップ領域の幅を指定します。

メニューのレイアウトグループの「クリップモード」を[データ]に設定した場合、本命令で指定した高さ、幅の値によって原稿用紙サイズを以下のように選択します。
  • 高さと幅を指定していない場合
  • 高さと幅のどちらか一方を指定していない場合
  • 高さと幅のどちらか一方に0を指定した場合
メニューの用紙グループの「原稿用紙サイズ」*で設定した用紙サイズが選択され、本命令による用紙サイズ選択は行われません。
* 本製品で使用できる「原稿用紙サイズ」は、はがき、B5、B4、B3、B2、B1、B0、A4,、A3、A2、A1、A0、レター、レジャー、ユーザ定義用紙(高さ/幅:100.0 ~ 2000.0 mm)です。

  • 高さと幅を指定する場合
  • 高さが幅よりも大きな値のとき
    「表1 PSコマンドにより選択される原稿用紙サイズ一覧」から用紙サイズが設定されます。
  • 幅が高さよりも大きな値のとき
    メニューの用紙グループの「原稿用紙サイズ」で設定した用紙サイズが選択され、本命令による用紙サイズ選択は行われません。
  • 高さ、または幅が最大定型用紙サイズ(B0)の最大値以内のとき
    最大定型用紙サイズ(B0)が設定されます。
  • 高さ、または幅が最大定型用紙サイズ(B0)の最大値よりも大きいとき
    ユーザ定義用紙が以下のように設定されます。

高さ= PS高さ(本コマンド設定値)+上余白(パネル設定値)* +下余白(パネル設定値)*
幅=PS幅(本コマンド設定値)+左余白(パネル設定値)* +右余白(パネル設定値)*

* メニューのレイアウトグループの「余白」(「作図データの余白を設定する(余白)」)で指定した上下左右の余白値です。

表1 PSコマンドにより選択される原稿用紙サイズ一覧
1プロッタユニット:0.025 mm
用紙サイズ 高さ
最小値 最大値* 最小値 最大値*
はがき
1
5920
1
4000
B5
5921
10280
4001
7280
レター
10281
11176
7281
8636
A4
11177
11880
8637
8400
B4
11881
14560
8401
10280
A3
14561
16800
10281
11880
レジャー
16801
17272
11881
11176
B3
17273
20600
11177
14560
A2
20601
23760
14561
16800
B2
23761
29120
16801
20600
A1
29121
33640
20601
23760
B1
33641
41200
23761
29120
A0
41201
47560
29121
33640
B0
47561
61074
33641
44034
ユーザ定義用紙
61075
80000
44035
80000
* 最大値は、各用紙サイズの標準値です。ただし、最大定型用紙サイズ(B0)だけは、標準値(高さ 58240、幅 41200)に2834(10 mm)を足した値まで最大値として対応します。
B0高さの最大値:
B0幅の最大値:
58240(B0用紙の高さ)+ 2834(10 mm)= 61074
41200(B0用紙の幅)+ 2834(10 mm)= 44034

PSコマンドによるハードクリップ領域
用紙サイズを選択する(クリップモード)


ペン上げ命令(PU)

ペンを現在位置で上げます。


JIS PU《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),…
…,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;

16進数 50h 55h《X1座標(i/sd)2Ch Y1座標(i/sd)》2Ch<X2座標(i/sd)2Ch
Y2座標(i/sd)2Ch … 2Ch Xn座標(i/sd)2Ch Yn座標(i/sd)》3Bh

《X座標(i/sd)》《Y座標(i/sd)》
座標値を指定すると、ペンを上げてその位置まで移動します。
座標値は、本命令の前に絶対座標プロット命令PAが実行されていれば、絶対座標となり、相対座標プロット命令PRが実行されていれば、相対座標(X、Y方向の増分指定)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。
パラメータを省略した場合は、座標の移動は行われずにペンが上がります。

本命令は、「多角形定義モード設定命令PM」によってポリゴンバッファに登録するときも有効です。

ペン移動命令(絶対座標) PA
ペン移動命令(相対座標) PR


ペン幅命令(PW)

ペンの幅(太さ)を指定します。次にプロットする線の太さは、本命令にしたがって指定されます。


JIS PW《幅(sd)《,ペン(i)》》;

16進数 50h 57h《幅(sd)《2Chペン(i)》》3Bh

《幅(sd)》
ペンの幅(太さ)を指定します。

《ペン(i)》
ペンの種類を指定します。パラメータを省略すると、《幅》の設定は、すべてのペンに適用されます。

文字プロットするときの線の太さは、AD命令またはSD命令によって指定します。
本命令を省略すると、メニューのペングループの「太さ」で設定した幅が指定されます。

ペン選択命令 SP
ペン幅の単位選択命令 WU


絶対座標長方形塗りつぶし命令(RA)

現在のペン位置と指定する絶対座標を対角線上の2点とする、四角形の領域を塗りつぶします。


JIS RA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;

16進数 52h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>3Bh

<X座標(sd)><Y座標(sd)>
現在のペン位置に対して、長方形の対角線上の角となる座標を指定します。座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。

塗りつぶしは、現在選択されているペンおよび線の種類で行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

塗りつぶし選択命令 FT


ラスタ塗りつぶし定義命令(RF)

FT命令で塗りつぶしを行うための、四角形の領域のパターンを設定します。


JIS RF《インデックス(i)《,幅(i),高さ(i),ペン数(i)》》……《,インデックス(i)《,幅(i),高さ(i),ペン数(i)》》;

16進数 52h 46h《インデックス(i)《2Ch幅(i)2Ch高さ(i)2Chペン数(i)》》……《2Chインデックス(i)
《2Ch幅(i)2Ch高さ(i)2Chペン数(i)》》3Bh

《インデックス(i)》
インデックスの種類を指定します。
指定範囲: 1 ~ 8
省略値: 1(固定)

《幅(i)》、《高さ(i)》
画素の幅と高さを指定します。
指定範囲: 8, 16, 32, 64

《ペン数(i)》
パターンを適用させる画素数と、その色を表します。たとえば、8(幅)×16(高さ)の画素で構成されたパターンでは、《ペン数》パラメータに128が必要になります。 128を満たしていない場合、残りの画素の色は白になります。X軸に平行して、パターンは印字されます。
省略値: 0(白)

塗りつぶし選択命令 FT
網掛けベクタ命令 SV


座標系回転命令(RO)

プロッタユニットおよびユーザユニットの座標系を90度回転します。


JIS RO《角度(i)》;

16進数 52h 4Fh《角度(i)》3Bh

《角度(i)》
座標系を回転(90度)するか、回転を解除(0度)するかを指定します。
指定範囲: 0または90

メニューのレイアウトグループの「座標回転」で回転角度が設定されている場合は、本命令でさらに90度回転することになります。
なお、座標を90度回転させると、スケーリングポイントP1、P2およびウィンドウは回転前の座標値を保持するため、最大作図範囲を超える領域ができます。座標系を回転した状態で、最大作図範囲内にスケーリングポイントP1、P2およびウィンドウを設定しなおす場合は、P1とP2入力命令IPおよびウィンドウ設定命令IWを実行してください(ともにパラメータを指定しないと最大作図範囲に設定できます)。


ウィンドウ設定命令 IW
P1とP2入力命令 IP
座標系の回転を設定する(座標回転)


リプロット命令(RP)

リプロットバッファに登録されたプロットデータを使用してリプロットします。


JIS RP《枚数(i)》;

16進数 52h 50h《枚数(i)》3Bh

《枚数(i)》
リプロットする枚数を指定します。
指定範囲: 0~32767
省略値: 1

この枚数の指定は、共通メニューの「コピー部数」によって影響されません。

本命令以前にプロットデータがあるときは、排紙命令となります。


相対座標長方形塗りつぶし命令(RR)

現在のペン位置からの相対的な位置を指定し、その位置と現在のペン位置を対角線上の2点とする四角形の領域を塗りつぶします。


JIS RR<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;

16進数 52h 52h<X増分(sd)>2Ch<Y増分(sd)>3Bh

<X増分(i/sd)><Y増分(i/sd)>
長方形の対角線上の角となる位置を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。

塗りつぶしは、現在選択されているペンおよび線の種類で行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

塗りつぶし選択命令 FT


3点相対円弧命令(RT)

指定する相対座標を中心とし、現在のペン位置が始点となり、中間点、終点を通って円弧を描画します。


JIS RT<X中間座標(sd)>,<Y中間座標(sd)>,<X終点座標(sd)>,<Y終点座標(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;

16進数 52h 54h<X中間座標(sd)>2Ch<Y中間座標(sd)>2Ch<X終点座標(sd)>2Ch<Y終点座標(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch分解能(sd)》3Bh

《X中間座標》《Y中間座標》
円弧の中間点を相対座標で指定します。

《X終点座標》《Y終点座標》
円弧の終点を相対座標で指定します。

《分解能(sd)》
円の滑らかさを指定します。円は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値: 5度(角度モード)


補助フォント選択命令(SA)

現在指定されている補助フォントを使用します。


JIS SA;

16進数 53h 41h 3Bh

標準フォントから「補助フォント指定命令AD」で指定した補助フォントに切り替え、補助フォントの文字を印字できるようにします。
補助フォントの選択は、本命令のほかに制御コード SO によっても行えます。

補助フォントを選択 SO


スケーリング設定命令(SC)

スケーリングポイントP1、P2にユーザユニットの値を割り当ててユーザユニットの座標系を設定します。


JIS SC《X最小値(i),X最大値(i),Y最小値(i),Y最大値(i)》;

16進数 53h 43h《X最小値(i)2Ch X最大値(i)2Ch Y最小値(i)2Ch Y最大値(i)》3Bh

《X最小値(i)》《X最大値(i)》《Y最小値(i)》《Y最大値(i)》
X、Yの最小値をスケーリングポイントP1の座標、X、Yの最大値をP2の座標値に割り当てます。それぞれの最小値および最大値によって、ユーザユニットが決定されます。
パラメータを省略すると、初期状態(スケーリングが行われていない状態)に戻ります。
この場合は、以降のプロット命令はプロッタユニットで実行されます。

本命令で設定された座標系は、スケーリングポイントP1、P2の範囲だけではなく、作図範囲すべてに使用できます。
また、スケーリングは、P1、P2の位置や範囲を変更すると、新しいP1、P2に対して再設定されます。

本命令の後、次の命令はユーザユニットで処理されます。
  • 絶対座標/相対座標円弧プロット命令AA/AR
  • 円プロット命令CI
  • 絶対座標/相対座標長方形プロット命令EA/ER
  • 扇形プロット命令EW
  • 塗りつぶし選択命令FT
  • ペン移動命令(絶対座標/相対座標)PA/PR
  • 絶対座標/相対座標長方形塗りつぶし命令RA/RR
  • 扇形塗りつぶし命令WG
P1とP2入力命令 IP


標準フォント定義命令(SD)

標準フォントの属性を指定します。


JIS SD《種類(i)》《,値(sd)》……《,種類(i)》《,値(sd)》;

16進数 53h 44h《種類(i)》《2Ch値(sd)》……《2Ch種類(i)》《2Ch値(sd)》3Bh

《種類(i)》
属性の種類を指定します。

種類 属性
1 Character Set(文字セット)
2 Font Spacing(文字間隔)
3 Pitch(文字ピッチ)
4 Height(サイズ)
5 Posture(スタイル)
6 Stroke Weight(太さ)
7 Typeface(書体)

《値(sd)》
  • Character Set(文字セット)
文字セットの属性を指定します。

設定内容 設定内容
0 (=277) Roman8 (default) 426 Ventura International
1 Math-7 458 Ventura U.S.
2 Line Draw-7 11 JIS ASCII
3 HP Large Characters 43 Katakana
4 Norwegian v1 267 Kana-8
37 United Kingdom 299 Korean-8
38 French 1611 JIS Kanji-1
39 German 1643 JIS Kanji-2
263 Greek-8 12 Line Draw-7
8 Hebrew-7 44 HP Block Characters
264 Hebrew-8 76 Tax Line Draw
9 Italian 268 Line Draw-8
202 Microsoft Publishing 300 Ventura ITC Zapf Dingbats
234 DeskTop
330 PS Text 332 PS ITC Zapf Dingbats
364 ITC Zapf Dingbats Series 100 531 HP-GL Download
563 HP-GL Drafting
396 ITC Zapf Dingbats Series 200 595 HP-GL Special Symbols
20 Thai-8
428 ITC Zapf Dingbats Series 300 276 Turkish-8
21 ANSI US ASCII
13 Math-7 53 Legal
45 Tech-7 (DEC) 181 HPL Language Set
173 PS Math 245 OEM-1 (DEC Set)
205 Ventura Math 277 (=0) Roman8
269 Math-8 309 Windows
14 ECMA-94 Latin 1 (8-bit version) 341 PC-8
373 PC-8 Denmark/Norway
78 ECMA-94 Latin 2 405 PC-850
174 ECMA-128 Latin 5 501 Pi Font
334 ECMA-113/88 Latin/Cyrillic 565 PC-852
22 Arabic (MacKay's Version)
15 OCR-A 278 Arabic-8
47 OCR-B 25 3 of 9 Barcode
79 OCR-M 57 Industrial 2 of 5 Barcode
16 APL (typewriter-paired) 89 Matrix 2 of 5 Barcode
48 APL (bit-paired) 153 Interleaved 2 of 5 Barcode
145 PC Line
18 Cyrillic ASCII 185 CODABAR Barcode
50 Cyrillic 217 MSI/Plessey Barcode
114 PC Cyrillic 249 Code 11 Barcode
19 Swedish for names 281 UPC/EAN Barcode
83 Spanish 505 USPS Zip
243 HP European Spanish 26 Not used
275 HP Latin Spanish

省略値: 0または277

  • Font Spacing(文字間隔)
文字間隔の属性を指定します。

設定
0 fixed spacing
1 variable spacing

省略値: 0(fixed spacing)

  • Pitch(文字ピッチ)
文字ピッチの属性を指定します。
指定範囲: 0~32,767.9999

  • Height(サイズ)
サイズの属性を指定します。
指定範囲: 0~32,767.9999

  • Posture(スタイル)
スタイルの属性を指定します。

設定
0 upright
1 Italic

  • Stroke Weight(太さ)
太さの属性を指定します。

設定
-7 very light
-3 light
0 normal
3 bold
7 very bold
9999 *
* Typeface(書体)でstick fontを指定した場合にのみ適用されます。また、stick fontは現在のペンの太さで描画されます。

省略値: 0(normal)

  • Typeface(書体)
書体の属性を指定します。

設定内容 設定内容
0 Line Printer or Line Draw 41 Trade Gothic
1 Pica 42 Goudy Old Style
2 Elite 43 ITC Zapf Chancery
3 Courier 44 Clarendon
4 Helvetica 45 ITC Zapf Dingbats
5 Times Roman 46 Cooper
6 Letter Gothic 47 ITC Bookman
7 Script 48 Stick (default)
8 Prestige 49 HP-GL Drafting
9 Caslon 50 HP-GL fixed and variable arc
10 Orator
11 Presentation 51 Gill Sans
13 Serifa 52 Univers
14 Futura 53 Bodoni
15 Palatino 54 Rockwell
16 ITC Souvenir 55 Melior
17 Optima 56 ITC Tiffany
18 ITC Garamond 57 ITC Clearface
20 Coronet 58 Amelia
21 Broadway 59 Park Avenue
23 Century Schoolbook 60 Handel Gothic
24 University Roman 61 Dom Casual
27 ITC Korinna 62 ITC Benguiat
28 Naskh (generic Arabic typeface) 63 ITC Cheltenham
64 Century Expanded
29 Cloister Black 65 Franklin Gothic
30 ITC Galliard 68 Plantin
31 ITC Avant Garde Gothic 69 Trump Mediaeval
32 Brush 70 Futura Black
33 Blippo 71 ITC American Typewriter
34 Hobo 72 Antique Olive
35 Windsor 73 Uncial
38 Peignot 74 ITC Bauhaus
39 Baskerville 75 Century Oldstyle
76 ITC Eras 102 Garth Graphic
77 ITC Friz Quadrata 103 ITC Ronda
78 ITC Lubalin Graph 104 OCR-A
79 Eurostile 105 ITC Century
80 Mincho 106 Englische Schreibschrift
81 ITC Serif Gothic 107 Flash
82 Signet Roundhand 108 Gothic Outline (URW)
83 Souvenir Gothic 109 Stencil (ATF)
84 Stymie 110 OCR-B
87 Bernhard Modern 111 Akzidenz-Grotesk
89 Excelsior 112 TD Logos
90 Grand Ronde Script 113 Shannon
91 Ondine 114 ITC Century
92 P.T.Barnum 152 Maru Gosikku
93 Kaufman 153 Gosikku (Kaku)
94 ITC Bolt Bold 154 Socho
96 Helv Monospaced 155 Kyokasho
97 Revue 156 Kaisho
101 Garamond (Stempel)

省略値: 48(固定ベクタ)


文字サイズ指定命令(絶対値)(SI)

文字の大きさをセンチメートル単位で指定します。


JIS SI《文字の幅(sd),文字の高さ(sd)》;

16進数 53h 49h《文字の幅(sd)2Ch 文字の高さ(sd)》3Bh

《文字の幅(sd)》《文字の高さ(sd)》
文字の幅と高さを指定します。
単位: cm
省略値: 省略時は、幅0.285 mm、高さ0.375 mmで、A4サイズの場合は幅0.185 mm、高さ0.269 mmとなります。

文字の高さは、大文字の高さで統一されます。可変文字の文字幅は、全文字の平均になります。
文字の幅に負の値を指定すると、文字の左右を反転できます。また、文字の高さに負の値を指定すると、文字の上下を反転できます。

たとえば、文字の高さと幅が3 cmのときの固定ピッチ文字、漢字の文字サイズ、文字間隔、改行幅は次のようになります。


文字プロット命令 LB


斜体文字命令(SL)

プロットする文字の傾きを指定します。


JIS SL《tanθ(sd)》;

16進数 53h 4Ch《tanθ(sd)》3Bh


《tanθ(sd)》
垂直線を基準とした角度θの正接(tanθ)を指定します。
省略値: 0(θ=0)

正の値のときは時計方向に傾き、負の値のときは反時計方向に傾きます。

斜体から標準に文字に戻す場合は、SL0;を指定します。


シンボルモード命令(SM)

プロット命令によって指定された座標点に、現在選択されている文字セットの文字(シンボル)を描きます。


JIS SM《シンボル(ASC)》;

16進数 53h 4Dh《シンボル(ASC)》3Bh

《シンボル(ASC)》
座標点にプロットする文字を指定します。
パラメータを省略すると、シンボルモードが解除されます。また、「;」(3Bh)、 SP (32h)および制御コードを指定するとシンボルモードは解除されます。

本命令は、「ペン移動命令(絶対座標)PA」、「ペン移動命令(相対座標)PR」、およびパラメータ付きの「ペン上げ命令PU」、「ペン下げ命令PD」と共に使用し、それぞれの線分の端点を基準(中心)として文字をプロットします。
文字の大きさ、方向、傾きは、文字サイズ指定命令(絶対値/相対値)SI/SR、斜体文字命令SL、絶対値/相対値による文字方向設定命令DI/DRによって指定できます。


ペン選択命令(SP)

ペン番号を指定します。


JIS SP《ペン番号(i)》;

16進数 53h 50h《ペン番号(i)》3Bh

《ペン番号(i)》
ペンの番号を指定します。
指定範囲: 0~8
省略値: 0

本エミュレーションモードでは、メニューのペングループによって、ペン0からペン8に対して線の太さとグレータイプ(濃淡による色表現)が設定されています。本命令では、このメニューで設定したペンを選択します。

ペンの太さを設定する(太さ)
ペンの濃淡を設定する(グレー番号)


文字サイズ指定命令(相対値)(SR)

プロットする文字の大きさを、スケーリングポイントP1、P2間の距離のパーセント値で指定します。


JIS SR《文字の幅(sd),文字の高さ(sd)》;

16進数 53h 52h《文字の幅(sd)2Ch 文字の高さ(sd)》3Bh

文字の幅(sd)文字の高さ(sd)
文字の幅と高さをP1・P2間の距離(X座標値、Y座標値)のパーセント値で指定します。
指定範囲: -128~+127.9999
省略値 (幅): 0.75(P1・P2が標準状態のとき)
(高さ): 1.5 (P1・P2が標準状態のとき)

パラメータに負の値を指定すると、プロットする文字が反転します。

文字の高さは、大文字の高さで統一されます。可変文字の場合は、文字幅はすべての文字の平均になります。
本命令によって文字の幅や高さを設定した場合、スケーリングポイントP1、P2の位置が変わると、実際にプロットする文字の大きさは設定した比率にしたがって変化します。

文字サイズ指定命令(絶対値) SI


標準フォント選択命令(SS)

現在指定されている標準フォントを使用します。


JIS SS;

16進数 53h 53h 3Bh

補助フォントの使用が指定されている場合、補助フォントから標準フォントに切り替え、標準フォントの文字を印字できるようにします。
標準フォントの選択は、本命令のほかに制御コード SI によっても行えます。

標準フォントを選択 SI


網掛けベクタ命令(SV)

図形データに適用させる網掛けパターンを選択します。


JIS SV《網掛けパターン(i)》《,オプション1(i)《,オプション2(i)》》;

16進数 53h 56h《網掛けパターン(i)》《2Chオプション1(i)《2Chオプション2(i)》》3Bh

《網掛けパターン(i)》
網掛けパターンを指定します。

設定内容
0 網掛けを行いません。
1 影付きの塗りつぶしを行います。
2 ユーザ定義型の塗りつぶしを行います。

《オプション1(i)》
網掛けパターンのパラメータで'1'を指定した場合、パーセント値で影の割合を指定します。値が大きいほど、影は濃くなります。
指定範囲: 0 ~ 100

網掛けパターンのパラメータで'2'を指定した場合、RF命令で選択されたインデックスを指定します。

《オプション2(i)》
現在設定されているペンの色を使用するかどうかを指定します。

設定内容
0 現在のペンの色を使用しません。
1 現在のペンの色を使用します。

アンカー座標命令 AC
塗りつぶし選択命令 FT
ラスタ塗りつぶし定義命令 RF
ペン幅の単位選択命令 WU


透過データ命令(TD)

通常、制御コードの文字は印字されませんが、本命令によって制御コードを印字することができます。


JIS TD《モード(i)》;

16進数 54h 44h《モード(i)》3Bh

《モード(i)》

設定内容
0 標準モード。制御コードは印字されません。
1 透過モード。制御コードを印字します。


透過モード命令(TR)

グラフィックスの白い領域をプロットする方法について設定します。


JIS TR《モード(i)》;

16進数 54h 52h《モード(i)》3Bh

《モード(i)》

設定内容
0 透過モードを設定しません。黒い領域の上に、白い領域をかぶせた場合、重なった部分の色は白になります。
1 透過モードを設定します。黒い領域の上に、白い領域をかぶせた場合、重なった部分の色は黒になります。



ユーザ定義型線の種類選択命令(UL)

LT命令で使用する線の種類を作成します。


JIS UL《インデックス(i)《,間隔(sd)》……》;

16進数 55h 4Ch《インデックス(i)《2Ch間隔(sd)》……》3Bh

《インデックス(i)》
線の種類を選択します。
指定範囲: 1 ~ 8

《間隔(sd)》
字下げと字上げを交互に行います。値はLT命令のパターン長のパーセンテージにしたがって変換されます。パラメータには、0または正の値を指定する必要があります。

線の属性指定命令 LA
線の種類選択命令 LT


扇形塗りつぶし命令(WG)

現在のペン位置を中心とし、指定された半径と角度の扇形の領域を塗りつぶします。


JIS WG<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;

16進数 57h 47h<半径(sd)>2Ch<始点角(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh


<半径(sd)>
扇形の半径を指定します。
正の値を指定すると中心点から右方向の水平位置が基準点(0度)となり、負の値を指定すると左方向の水平位置が基準点となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッタユニット、オンのときはユーザユニットになります。

<始点角(sd)>
扇形の始点となる角度を指定します。正の値を指定すると半径の符号で決まる基準点から反時計方向、負の値を指定すると時計方向になります。

<中心角(sd)>
扇形の中心角を指定します。正の値を指定すると円周上の始点角の位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。

《分解能(sd)》
扇形の滑らかさを指定します。扇形の弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値: 5度(角度モード)

塗りつぶしは、現在選択されているペンおよび線の種類で行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。


ペン幅の単位選択命令(WU)

PW命令で指定するペン幅の単位を指定します。


JIS WU《モード(i)》;

16進数 57h 55h《モード(i)》3Bh

《モード(i)》

設定内容
0 ミリメートルでペン幅を指定します。
1 スケーリングポイントP1、P2間の対角線上の距離におけるパーセント値で、ペンの幅を指定します。

省略値: 1

ペン幅命令 PW
ペン選択命令 SP


HP RTL命令


Enter RTL Mode命令([ESC] % # A)

送られてきたデータをHP RTLコマンドとして読み込みます。


JIS ESC % # A

16進数 1Bh 25h # 41h


設定内容
0 HP RTLモードの現在のペンの位置およびパレットの状態は、実行前の状態に設定されます。
1 HP RTLモードの現在のペンの位置は、HP-GL/2モードの現在のペンの位置に設定されます。
HP RTLモードのパレットの状態は、実行前の状態に設定されます。
2 HP RTLモードの現在のペンの位置は、実行前の状態に設定されます。
HP RTLモードのパレットの状態は、HP-GL/2モードの現在の状態に設定されます。
3 HP RTLモードの現在のペンの位置およびパレットの状態は、HP-GL/2モードの現在の状態に設定されます。

省略値: 0


Enter HP-GL/2 Mode命令([ESC] % # B)

送られてきたデータをHP-GL/2コマンドとして読み込みます。


JIS ESC % # B

16進数 1Bh 25h # 42h


設定内容
0 HP-GL/2モードの現在のペンの位置およびパレットの状態は、実行前の状態に設定されます。
1 HP-GL/2モードの現在のペンの位置は、HP RTLモードの現在のペンの位置に設定されます。
HP-GL/2モードのパレットの状態は、実行前の状態に設定されます。
2 HP-GL/2モードの現在のペンの位置は、実行前の状態に設定されます。
HP-GL/2モードのパレットの状態は、HP RTLモードの現在の状態に設定されます。
3 HP-GL/2モードの現在のペンの位置およびパレットの状態は、HP RTLモードの現在の状態に設定されます。

省略値: 0


Reset命令([ESC] E)

設定されているパラメータを初期値に戻します。


JIS ESC E

16進数 1Bh 45h


Universal Exit Language命令([ESC] % # X)

現在の言語モードの内容を終了します。


JIS ESC % # X

16進数 1Bh 25h # 58h

パラメータには、文字列型の'-12345'を指定してください。


Move CAP Horizontal (decipoint)命令([ESC] & a # H)

デシポイント単位(1/720インチ)で、現在のペンの位置を水平方向に移動します。

指定範囲: - 32,767 ~ 32,767

JIS ESC & a # H

16進数 1Bh 26h 61h # 48h


Raster Line Path命令([ESC] * b # L)

次の命令による垂直方向を指定します。

  • Transfer Raster Data by Row/Block命令
  • Y Offset命令
  • End Raster Graphic命令

JIS ESC * b # L

16進数 1Bh 2ah 62h # 4ch


設定内容
0 Y軸を負の方向へ移動します。
1 Y軸を正の方向へ移動します。


Compression Method命令([ESC] * b # M)

ラスタ・グラフィックスのデータを転送するための圧縮方式を指定します。Transfer Raster Data by Plane命令およびTransfer Raster Data by Row/Block命令では、この圧縮方式にしたがってデータが転送されます。


JIS ESC * b # M

16進数 1Bh 2ah 62h # 4dh


設定
0 非符号化方式(行単位)
1 Run-length符号化方式
2 TIFF符号化方式Revision 4.0
3 Seed-row符号化方式
4 非符号化方式(ブロック単位)
5 Adaptive符号化方式
6 CCITT Group 3 一次元符号化方式(ブロック単位)
7 CCITT Group 3 三次元符号化方式(ブロック単位)
8 CCITT Group 4 符号化方式(ブロック単位)
9 Compressed Replacement Delta Row 符号化方式
10 準可逆RGB/KCMY Replacement Delta Row 符号化方式

省略値: 0

ラスタ・グラフィックスのデータは、ベクタ・グラフィックスのデータに比べて転送するデータの量が大きいため、本命令の符号化方式によってデータを圧縮しておくと、本製品の本体(以降「本体」と呼びます。)に転送する速度が向上します。


Transfer Raster Data by Plane命令([ESC] * b # V)

本体に転送するデータ量を平面単位で指定します。転送するときの圧縮方式は、Compression Method命令に従います。

指定範囲: 0 ~ 32,767(バイト)

JIS ESC * b # V

16進数 1Bh 2ah 62h # 56h

Compression Method命令
Transfer Raster Data by Row/Block命令


Transfer Raster Data by Row/Block命令([ESC] * b # W)

本体に転送するデータ量を行またはブロック単位で指定します。転送するときの圧縮方式は、Compression Method命令に従います。

指定範囲: 0 ~ 2,147,483,647(バイト)

JIS ESC * b # W

16進数 1Bh 2ah 62h # 57h

Compression Method命令


Y Offset命令([ESC] * b # Y)

指定した数だけ現在のペンの位置を垂直方向に移動します。移動する方向はRaster Line Path命令に従います。

指定範囲: - 32,767 ~ 32,767

JIS ESC * b # Y

16進数 1Bh 2ah 62h # 59h

本命令は、ペン位置がウィンドウの外にある場合でも有効です。

Raster Line Path命令


Pattern ID命令([ESC] * c # G)

Current Pattern命令で次のパターンを選択したときのIDを指定します。

  • シェーディング
  • ハッチング
  • ユーザ指定タイプ

JIS ESC * c # G

16進数 1Bh 2ah 63h # 47h

  • シェーディング
パーセント値で影の割合を指定します。値が大きいほど、影は濃くなります。
指定範囲: 0 ~ 100

  • ハッチング
ハッチングの種類を選択します。

設定内容
1 水平線
2 垂直線
3 斜線(右上がり)
4 斜線(左上がり)
5 クロスハッチング(水平および垂直線)
6 クロスハッチング(斜線)

  • ユーザ指定タイプ

指定範囲: 0 ~ 32,767
省略値: 0

Current Pattern命令


Pattern Control命令([ESC] * c # Q)

ユーザ指定のパターンを削除します。


JIS ESC * c # Q

16進数 1Bh 2ah 6ch # 51h


設定内容
0 すべての一時および永久パターンを削除します。
1 すべての一時パターンを削除します。
2 Pattern ID命令で指定された直前のパターンのみ削除します。

一時パターンはReset命令によって削除できます。
直前のPattern ID命令で指定された、現在のパターンが削除されると、次のパターンは黒または描画色でレンダリングされます。

Reset命令
Pattern ID命令


Download Pattern命令([ESC] * c # W)

ユーザ指定のパターンデータをバイト単位で読み込みます。

指定範囲: 0 ~ 2,147,483,647(231-1)
省略値: 0

JIS ESC * c # W

16進数 1Bh 2ah 63h # 57h

Pattern ID命令


Configure Raster Data命令([ESC] * g # W)

次の属性をもつラスタ・グラフィックスデータの受信方法を設定します。

  • ダイレクトモードで送信する
  • 4色以上のペンがある
  • ペンごとに複数の色空間定義がある
  • ピクセルまたは平面の順に編成されているデータ
  • チャンネルID

JIS ESC * g # W

16進数 1Bh 2ah 67h # 57h

  • バイト:0
フォーマット数。値は7のみ指定できます。

  • バイト:1
ペンの数を指定します。
指定範囲: 1 ~ 255

  • バイト:2
ペンの優先仕様を指定します。

設定内容
0 ピクセル優先。ピクセルごとにペンデータを編成します。
1 平面優先。平面ごとにペンデータを編成します。

  • バイト:3
Reversed(反転)。値には0を指定します。

  • バイト:4 - 5, 12 -13
水平解像度をppi(pixel per inch)の単位で指定します。
指定範囲: 1 ~ 65,535

  • バイト:6 - 7, 14 -15
垂直解像度をppi(pixel per inch)の単位で指定します。
指定範囲: 1 ~ 65,535

  • バイト:8-9, 16-17
Contone(連続調)を表現するための色の強度を指定します。強度のレベルは、ペンごとに割り当てられているビット数によって表現します。たとえば、1ビットであれば強度のレベルは2になり、8ビットであれば強度のレベルは256になります。
指定範囲: 2 ~ 65,535

  • バイト:10,18
平面の優先仕様を指定します。「バイト:2」の優先仕様に合わせて、値を指定してください。

設定内容
0 列ごとに異なる平面が構成されます。
1 1種類のピクセルによって平面が構成されます。

  • バイト:11,19
チャンネルIDを指定します。

設定内容
0 K(black)
1 C(cyan)
2 M(magenta)
3 Y(yellow)
4 R(red)
5 G(green)
6 B(blue)
7 W(white)
10 O(orange)
51 k(gray)
52 c(light cyan)
53 m(light magenta)

「バイト:1」のパラメータに'1'、'3'、'4'以外の値が指定された場合、本命令は無視されます。また、Reset命令を受信するまでの描画コマンドは無視されます。
Channel ID for Penの組み合わせが、K、RGB、CMY、KCMY以外の場合、本命令は無視されます。


Logic Operation命令([ESC] * l # O)

複数のラスタ・グラフィックスデータを重ね合わせたときの色を設定します。


JIS ESC * l # O

16進数 1Bh 2ah 63h # 4fh

論理演算式によって定義された、RGB色空間を設定します。(D:「Destination(出力先の元画像)」、S:「Source(新しく書き込む画像)」、T:「Texture(テクスチャ)」、a:「AND(論理積)」、n:「NOT(論理否定)」、o:「OR(論理和)」、x:「XOR(排他)」)演算式の一覧は、MC命令を参照してください。
指定範囲: 0 ~ 255
省略値: 252


Push/Pop Palette命令([ESC] * p # P)

パレットのスタック領域にパレットの情報を格納するか、取り出すかどうかを選択します。


JIS ESC * p # P

16進数 1Bh 2ah 70h # 50h


設定
0 スタック領域に次のパレットの情報を格納します。
  • 各パレットの色定義
  • ペンの幅
  • 黒および白参照
  • データを転送するためのビット数
  • 符号化方式
1 スタック領域からパレットの情報を取り出します。

省略値: 0


Pattern Reference Point命令([ESC] * p # R)

現在のペンの位置を中心として、パターンをプロットします。


JIS ESC * p # R

16進数 1Bh 2ah 70h # 52h

0のみ指定できます。他の値は無視されます。


Move CAP Horizontal (RTL unit) 命令([ESC] * p # X)

解像度を示すdpi(dot per inch)の単位で、現在のペンの位置を水平方向に移動します。

指定範囲: - 32,767 ~ 32,767

JIS ESC * p # X

16進数 1Bh 2ah 70h # 58h


Move CAP Vertical (RTL unit) 命令([ESC] * p # Y)

解像度を示すdpi(dot per inch)の単位で、現在のペンの位置を垂直方向に移動します。

指定範囲: - 32,767 ~ 32,767

JIS ESC * p # Y

16進数 1Bh 2ah 70h # 59h


Start Raster Graphic命令([ESC] * r # A)

ラスタ・グラフィックスデータをプロットする開始点を固定して、用紙の左側の余白を設定します。


JIS ESC * r # A

16進数 1Bh 2ah 72h # 41h


設定内容
0 座標原点は左端になります。(スケーリングオフ)
1 座標原点は現在のペンの位置になります。(スケーリングオフ)
2 座標原点は左端になります。(スケーリングオン)
3 座標原点は現在のペンの位置になります。(スケーリングオン)

省略値: 0

本命令を指定する前に、Source Raster Width命令およびSource Raster Height命令を本体に送る必要があります。


Source Raster Width命令([ESC] * r # S)

ラスタ・グラフィックスデータの幅を指定します。

指定範囲: 0 ~ 65,535

JIS ESC * r # S

16進数 1Bh 2ah 72h # 53h


Source Raster Height命令([ESC] * r # T)

ラスタ・グラフィックスデータの高さを指定します。

指定範囲: 0 ~ 65,535

JIS ESC * r # T

16進数 1Bh 2ah 72h # 54h


Simple Color命令([ESC] * r # U)

現在のパレットの状態を上書きして、固定サイズのパレットを新規に作成します。


JIS ESC * r # U

16進数 1Bh 2ah 72h # 55h


設定内容
-4 4面KCMYパレット
-3 3面CMYパレット
1 1面Kパレット
2 3面RGBパレット

  • 4面KCMYパレット
インデックス 白黒参照 ペンの種類
0 White White
1 Black White
2 White Cyan
3 Black Cyan
4 White Magenta
5 Black Magenta
6 White Blue
7 Black Blue
8 White Yellow
9 Black Yellow
10 White Green
11 Black Green
12 White Red
13 Black Red
14 White Black
15 Black Black

  • 3面CMYパレット
インデックス ペンの種類
0 White
1 Cyan
2 Magenta
3 Blue
4 Yellow
5 Green
6 Red
7 Black

  • 1面Kパレット
インデックス ペンの種類
0 White
1 Black

  • 3面RGBパレット
インデックス ペンの種類
0 Black
1 Red
2 Green
3 Yellow
4 Blue
5 Magenta
6 Cyan
7 White

本命令が実行されると、他の命令によるパレットの変更は無視されます。また、いったんPush/Pop Palette命令によってスタック領域からSimple Colorパレットが取り出されると、パレットの変更はできません。


End Raster Graphic命令([ESC] * r C)

ラスタ・モードを終了します。ラスタ・グラフィックスのデータ転送を終了して、Compression Method命令などラスタモードに関連する命令のパラメータは初期値に戻ります。


JIS ESC * r C

16進数 1Bh 2ah 72h 43h


Destination Raster Width命令([ESC] * t # H)

Start Raster Graphic命令でスケーリングをオンにした場合、デシポイント単位(1/720インチ)でラスタ・グラフィックスの幅を指定します。

指定範囲: 0 ~ 65,535

JIS ESC * t # H

16進数 1Bh 2ah 74h # 48h


Set Graphics Resolution命令([ESC] * t # R)

ラスタ・グラフィックスデータをプロットするときの解像度を、dpi(dot per inch)の単位で指定します。

指定範囲: 0 ~ 32,767

JIS ESC * t # R

16進数 1Bh 2ah 74h # 52h


Destination Raster Height命令([ESC] * t # V)

Start Raster Graphic命令でスケーリングをオンにした場合、デシポイント単位(1/720インチ)でラスタ・グラフィックスの高さを指定します。

指定範囲: 0 ~ 65,535

JIS ESC * t # V

16進数 1Bh 2ah 74h # 56h


Set Red Parameter命令([ESC] * v # A)

パレットの赤のパラメータを指定します。Assign Color Index命令を実行後、本パラメータの値は、'0'に初期化されます。


JIS ESC * v # A

16進数 1Bh 2ah 76h # 41h

Configure Image Data命令


Set Green Parameter命令([ESC] * v # B)

パレットの緑のパラメータを指定します。Assign Color Index命令を実行後、本パラメータの値は、'0'に初期化されます。


JIS ESC * v # B

16進数 1Bh 2ah 76h # 42h

Configure Image Data命令


Set Blue Parameter命令([ESC] * v # C)

パレットの青のパラメータを指定します。Assign Color Index命令を実行後、本パラメータの値は、'0'に初期化されます。


JIS ESC * v # C

16進数 1Bh 2ah 76h # 43h

Configure Image Data命令


Assign Color Index命令([ESC] * v # I)

Configure Image Data命令によるRGBパラメータの値を、指定のインデックスに割り当てます。


JIS ESC * v # I

16進数 1Bh 2ah 76h # 49h

Configure Image Data命令


Source Transparency Mode命令([ESC] * v # N)

ソース(新しく書き込む画像)の白ピクセルをプロットする方法について設定します。


JIS ESC * v # N

16進数 1Bh 2ah 76h # 4eh


設定内容
0 透過モードを設定します。下地の黒ピクセルの上に白ピクセルをかぶせた場合、重なった部分の色は下地の黒になります。
1 透過モードを設定しません。下地の黒ピクセルの上に白ピクセルをかぶせた場合、重なった部分の色は白になります。



Pattern Transparency Mode命令([ESC] * v # O)

パターン内の白ピクセルをプロットする方法について設定します。


JIS ESC * v # O

16進数 1Bh 2ah 76h # 4fh


設定内容
0 透過モードを設定します。下地の黒ピクセルの上に白ピクセルをかぶせた場合、重なった部分の色は下地の黒になります。
1 透過モードを設定しません。下地の黒ピクセルの上に白ピクセルをかぶせた場合、重なった部分の色は白になります。



Foreground Color命令([ESC] * v # S)

インデックスに描画色を設定します。


JIS ESC * v # S

16進数 1Bh 2ah 76h # 53h

指定範囲: 0 ~ 2n-1(nはインデックスごとに割り当てられているビット数です。たとえば、インデックスに8ビットが割り当てられている場合、パラメータには255まで指定することができます。)
省略値: 0


Current Pattern命令([ESC] * v # T)

ラスタ・グラフィックスデータを描画するための、現在のパターンを選択します。


JIS ESC * v # T

16進数 1Bh 2ah 76h # 54h


設定
0 黒単色または描画色
1 白単色
2 シェーディング(Pattern ID命令で指定)
3 ハッチング(Pattern ID命令で指定)
4 ユーザ指定タイプ(Pattern ID命令で指定)

新しいCurrent Pattern命令を受信すると、本命令は上書きされます。

Pattern ID命令


Configure Image Data命令([ESC] * v # W)

下記の色設定を行います。

  • カラーモデルの設定(バイト:0)
  • ラスタデータの描画方法(バイト:1)
  • インデックスごとのビット数(バイト:2)
  • RGBごとのビット数(バイト:3~5)
  • RGBごとの白または黒参照値(バイト:6~17)
指定値: 6または18(バイト)

JIS ESC * v # W

16進数 1Bh 2ah 76h # 57h

<6>
  • バイト:0
カラーモデルを設定します。

  • バイト:1
ラスタデータの描画方法を指定します。

設定
0 平面単位でインデックスを付けて、色選択を行います。
1 画素単位でインデックスを付けて、色選択を行います。
2 平面単位で直接色選択を行います。
3 画素単位で直接色選択を行います。
4 各平面にインデックスを付けます。

  • バイト:2
インデックスごとのビット数(2n-1)を指定します。
指定範囲: 0,1 ~ 255

  • バイト:3 ~ 5
RGBごとのビット数(2n-1)を指定します。
指定範囲: 0 ~ 255

<18>
  • バイト:6 ~ 17
RGBごとの白または黒参照値を指定します。
指定範囲: - 32,768 ~ 32,767

Set Red Parameter命令
Set Green Parameter命令
Set Blue Parameter命令
Assign Color Index命令


付録

HP-GL/2エミュレーションモードの注意事項、初期の設定状態、文字セットなどを掲載します。必要に応じてご覧ください。



HP-GL/2モードの注意と制限

HP-GL/2エミュレーションモードでは、エミュレートするHP Designjet 800プリンタと違いがあります。ご使用にあたり、それぞれの注意と制限事項をよくお読みください。



内蔵フォント

  • 1バイトフォント
  • 固定ベクタフォント

HP Designjet 800では、次の文字セットの内蔵フォントが固定ベクタ2になるため、本エミュレーションモードとは印刷結果が若干異なります。

  • JIS ASCII
  • Katakana
  • Kana-8
  • 固定ドラフティングフォント

HP Designjet 800では、文字セットHP-GL Draftingの内蔵フォントが固定ドラフティング1 になるため、本エミュレーションモードとは印刷結果が若干異なります。

  • 2バイトフォント

HP Designjet 800では、内蔵フォントが固定ベクタ2になるため、本エミュレーションモードとは印刷結果が若干異なります。



HP-GL/2命令

  • エミュレーション対象のHP-GL/2命令

本エミュレーションモードは、基本的にHP Designjet 800プリンタで使用できるHP-GL/2命令に対応します。ただし、一部の命令は機構上無視している場合があります。詳しくは、「制御命令」をご覧ください。

  • 解像度

HP-GL/2エミュレーションモードの出力解像度は600 dpi固定に対して、HP Designjet 800の出力解像度は次のとおりです。


「出力品質」の設定 「最適化」の設定
線画/テキスト用 イメージ用
レンダリング ハーフトーン レンダリング ハーフトーン
高速 300 × 300 600 × 300 150 × 150 600 × 300
標準 600 × 600 600 × 600 300 × 300 600 × 600
高品質 600 × 600 600 × 600 600 × 600 600 × 600
最大の解像度 600 × 600 1200 × 600 600 × 600 1200 × 600
最大の解像度* 600 × 600 1200 × 600 1200 × 1200 2400 × 1200
* 光沢フォト用紙を使用した場合

  • ハードクリップ

本体の構造により、用紙の各端から5 mm内側が有効印字領域となります。このため用紙の各端から5 mmより外側にある作図データは印字されません。

  • コピー部数

HP Designjet 800ではコマンドの組み合わせで指定された部数だけプリントされますが、HP-GL/2のコマンド仕様ではBPコマンド、PGコマンド、RPコマンドの組み合わせ、および共通メニューの「コピー部数」によって各ページのコピー部数を指定することができます。そのため、HP-GL/2トランスレータではコピー部数は以下のように設定されます。

コマンドによって指定されたコピー部数+ 共通メニューによって指定された「コピー部数」の設定値- 1

  • 未定義文字

HP Designjet 800では1バイトフォントの文字セットの中で0x20~0x7Fに割り当てられていない文字が指定された場合、「::」が印字されますが、本エミュレーションモードでは「スペース」が印字されます。

  • ミラー反転した後の原点

本エミュレーションモードではミラー反転した後の原点はハードクリップ領域の四隅になります。したがって、ミラー反転を設定して、用紙を縦送りしたときの印字結果はHP Designjet 800と本エミュレーションモードとで原点の位置が異なります。

  • Adaptive Line Typeのベジェ曲線

LTコマンドのline typeパラメータをAdaptive(-8~-1)に設定してベジェ曲線を描くと、HP Designjet 800ではAdaptive Line Typeで描画されますが、本エミュレーションモードではFixed Line Typeで描画されます。

  • Adaptive Line TypeにおけるLine Patternの消失


本エミュレーションモードではAdaptive Line Typeの指定によりLine Patternが縮小される場合、その縮小率によってはLine Patternの一部が印字されない場合があります。
Line Patternの一部が消失する可能性があるのは、以下の場合です。

Line Length <(Line Pattern)/2

  • ハードクリップ外のオブジェクトによるページ生成

本エミュレーションモードではハードクリップ領域外でもText, GraphicsおよびImageオブジェクトが描画されると、白紙ページが生成されます。



初期状態

  • HP-GL/2エミュレーションモードのメニューの初期状態
グループ 設定項目 工場出荷時の設定状態
ペン パレット選択 データ
0~15ペン 太さ 0.1 mm
グレー番号 0
カラー番号 *
用紙 原稿用紙サイズ A4
ユーザ定義用紙 高さ 297.0 mm
210.0 mm
出力用紙サイズ A4
レイアウト 拡大/縮小 しない
拡大/縮小率 長辺/短辺 100.0%
余白 上/下/左/右 5.0 mm
座標回転
ミラー反転 しない
クリップモード パネル
* 初期状態は、「ペン」の種類によって異なります。詳しくは、「HP-GL/2モードの設定」を参照してください。


コード表

  • 1バイトコード表
  • 固定文字

  • 可変文字